ひょうたんマークの継手とは?
by 丸黄うりほ
大きな段ボール箱に、くっきりした赤いひょうたんマークと「継手」という文字。下のほうには日立金属株式会社の文字と、家電でよく見かける日立のマークが印刷されています。
この写真は、この日記にたびたび登場してくれている「ヒョウタン総合研究所」所員のふじっこさんが先日ツイッターにアップしていたもの。彼女が勤めている会社で、ときどき見かける箱なのだそうです。
「継手」って何?なぜひょうたんマークなの?気になったのでさっそく調べてみました。
「継手」とは、バルブやパイプ、菅などを接続する配管部材のこと。配管ルートを曲げたり分岐したり、他の機器と接続したり脱着したりするのに使われ、ガスや水道をはじめ、いろいろな機械類の配管に使われているものだそうです。なるほど。あまり意識していなかったけど、「継手」は誰もが見たことがあり、一般家庭でも日頃使っているものだったのですね。
この「継手」を作っているのが鉄鋼メーカーの日立金属株式会社であることはわかりました。
では、「継手」がなぜひょうたんなのでしょう?その答えは日立金属株式会社のウェブサイトで見つけることができました。
明治43年、当社の前身である戸畑鋳物株式会社が
その第一号製品を世に送り出すにあたって、
“より強靭に、より滑らかに、より美しい曲線に”との願いを込めて
鋳出しされたのがこの「ひょうたん」マークです。
以来、®印は産業分野から一般家庭まで幅広く使用され、
国内はもとより、海外でも「Gourd Brand」の名で親しまれています。(日立金属株式会社 https://www.hitachi-metals.co.jp/products/item/pe/)
また、戸畑鋳物株式会社の創立者である、鮎川義介という人物のウィキペディアにも、
継手の表面が瓢箪のように滑らかであってほしいという思いを込めて「瓢箪印」をトレードマークにし、ヒット商品となる。
と書かれていました。
金属の部品である「継手」に、「ひょうたんのように滑らかに」という思いを込めたとは、なんと素晴らしい発想なのでしょう!これこそ、テクノなひょうたんであります。
海外でも「 Gourd Brand」として親しまれている、という部分も感動的です。Gourdとは英語でひょうたんのことですが、英語圏の人はあまり使わない語彙(い)であるようで、「 Hyotanって何? (←英語)」と聞かれた私が、「Gourd」と答えると、たいてい少し間をおいて「……ああ、Gourd!」という反応が返ってきます。金属の「継手」に鋳出された、このブランドマークを見て初めて「Gourd」の存在を意識する海外の人もいるかもしれませんね。