ひょうたんの聖地・養老(9)ひょうたん会館のジオラマ

by 丸黄うりほ 

▲ひょうたんの種まきから収穫までがジオラマに。

▲この絵のタッチ……好きです。

▲ぶら下がっている実は本物。ペイントしてあります。

▲豊作でほくほくの収穫家族。

▲「珍古瓢は平和の合言葉!」by ふじっこさん。

 

「ひょうたん会館」からのレポート3日目をお送りします。

さて、なんといってもここのハイライトはジオラマです。春のひょうたんの種まきからはじまって、苗の定植、蔓の成長、ひょうたんの花、夏のみごとに実ったひょうたん畑、秋の収穫、水浸けと天日干しまで、ひょうたん栽培の1年間がよくわかるように展示されています。

この展示。まず、ひょうたんの四季を描いた農村の風景と、人物画のインパクトがすごい。まったく今っぽくなく、まったくファンシーでなく、まったく見る者に媚びてない絵のタッチがものすごく好きな感じです。適度に力が抜けていて、絵が上手すぎないのがまたいいんですよね。

ジオラマに使われているひょうたんの実は、本物のひょうたんに緑色の絵の具でペイントしたもの。葉や土はプラスチックなどの作り物ですが、実だけは本物なのです。それだけに、こちらに迫ってくるようなリアリティがあります。

ジオラマ背景の、ぼんやりしているようでインパクトのある絵画と、どぎつい緑色に塗られたひょうたんの実と、理科室か古い病院のバックヤードのような会館の気配。ふじっこさんと私の話し声以外はしーんとした室内に、まっすぐ太陽光が射し込んで、陳列された古いガラスケースを照らしています。

そこはまるで時間が止まってしまった場所のようでした。

本当のことを言うと、太陽光がまぶしすぎて、ガラスケースに入ったジオラマやひょうたんの撮影はとても難しかったです。冬でそうなのですから、夏はものすごいまぶしさでしょう。

2階でタイムスリップしたような不思議な時間を過ごした私たちは、階下のお土産屋さんでそれぞれ目当ての品を買い、再び養老の町へ繰り出しました。

 

 

※次回221日目は32日()にアップします。