ひょうたんの聖地・養老(1)「トランス養老エクスプレス」に乗って

by 丸黄うりほ

▲2番ホーム、駅名標もひょうたん型。

▲向かい側1番ホームの天井には……!

▲いろいろな大きさ、形のひょうたんたちが迎えてくれます!

 

ひょうたんを町のシンボルや名物としている土地は日本中にありますが、そのうち半分くらいは豊臣秀吉由来であるように思います。しかし、岐阜県の養老は、秀吉よりも古い伝説にまつわるひょうたんスポット。そして、うれしいことに町の人々のひょうたん愛が、今なお熱く感じられる土地なのです。

私は、そんなひょうたんの聖地・養老に先週久しぶりに出かけてきました。今回で3回目の訪問です。以前ここを訪れたのはもう5年ほど前になるでしょうか。今回は、「ヒョウタン総合研究所」のふじっこさんと養老鉄道大垣駅で待ち合わせて、養老の重要なひょうたん地点をぎゅっと絞り込んで回ってきました。

まず、告白しておきますと、私は養老鉄道に特別な思い入れがあります。というのは、私たちのひょうたん活動「ヒョウタン総合研究所」は、自作ひょうたん楽器でテクノポップなどを演奏する楽団で、「ひょうたん特急」という持ち曲があるのですが、これはクラフトワーク「ヨーロッパ特急(Trans-Europe Express )」のリスペクト曲なのです。そして、私たちがこの曲を演奏するときは、「トランス・養老・エクスプレス」と歌っています。「ヨーロッパ」と「養老」は、歌ってみると発音がだいたい同じなんですよ(断言)。

というわけで、大垣で JR から養老鉄道に乗り換えた時点で、私の心は水に浮かぶひょうたんのようにウキウキぷかぷか。乗った電車は特急ではなく、急行でもなく、各駅停車でしたが。

養老駅は大垣駅から数えて7つ目の駅です。心配していた天気は雪から晴れに変わりつつあり、車窓から見える田園風景も穏やか。所要時間はだいたい20分くらいでした。

着いたのは養老駅2番ホーム。駅名標がひょうたん型です。そして、向かい側1番ホームの天井には……!

本物のひょうたんがいっぱいぶら下がっています!

大ひょうたん、中ひょうたん、千成ひょうたん、長ひょうたん……。大きなもの、小さなもの。ニスを塗ったもの、ペイントしたもの。

たくさんのひょうたんたちに迎えてもらい、「ああ、また養老へやってきた!」という実感がこみ上げてきます。いつ来てもうれしく、かけがえのないこの風景こそ、ひょうたんの聖地・養老の玄関口。