ひょうたんパッケージの吉備羊羹

by 丸黄うりほ 

▲レトロで可愛いひょうたんパッケージ。「吉備羊羹」

 

岐阜県養老。そこはひょうたん者にとっての聖地です。この町の玄関ともいえる養老鉄道養老線養老駅がすでに驚異。駅のホームに降り立つと、無数のひょうたんが天井からぶらぶらと下がっている。さらに、駅舎に飾られた額縁には、ひょうたん文字で、「養老」と書かれています。「養」にしても「老」にしてもわりあい画数が多い漢字なのに、これをひょうたんを並べて書くとは!すごいこだわりです。町の人々のひょうたん愛が伝わってきます。

そんなひょうたんワンダーランドな養老駅の駅前に「きび羊羹本家」というお店があります。先日、養老に行ってきたお友達から、このお店の主力商品で、養老名物である「吉備羊羹」をいただきました。

養老に行ってきたお友達というのは、この日記の137日目(10月23日)などに何回か登場していただいたこともある、ふじっこさんです。ふじっこさんは、今年から我が「ヒョウタン総合研究所」に新メンバーとして入所してもらうことになり、ただいまひょうたん楽器作りに奮闘中なのです。その様子については、また明日書きたいと思います。

「吉備羊羹」は、養老山間で収穫した黍(キビ)をつかって作られたお菓子。いただいてみると、羊羹という名前がついていますが、もっとあっさりとした、ういろうとお餅の中間のような味わいでした。夏は冷やしていただくとおいしく、冬は小さく切っておしるこなどに入れてもいいそうです。

ひょうたん者として見逃せないのは、そのパッケージです。ショッピングバッグにも、包装紙にも、箱にも、とてもレトロで可愛いひょうたん意匠があしらわれています。添付された「きびようかん由来記」には、有名な「養老の滝伝説」の解説がありました。まずしいけれど、真面目で優しい木樵が養老の滝でひょうたんに水を汲むと、それは水ではなく芳しいお酒であった。彼はこのひょうたんを持ち帰り、年老いた父に飲ませて親孝行した……。

真面目で優しい人に幸せを運んできたひょうたん。養老名物のお菓子の甘さも、気持ちをひょうたんのようにまるく優しくしてくれました。