大阪音大「楽器資料館」ひょうたん探し(6)アフリカの弦楽器

by 丸黄うりほ

▲マリの「ボロン」(左)と「シンビ」

▲マリの「コラ」

▲ウガンダの「ラババ」

▲エチオピアの「クラール」

 

大阪音楽大学音楽メディアセンター「楽器資料館」でのひょうたん探し。6日目のきょうは、アフリカの弦楽器です。

弦楽器を自力で作ろうとするときに、いちばん頭を悩ませるのが弦の張り方です。昨日の「ビリンバウ」のように弦が1本しかない場合は、両端を木にひっかける方法が間違っていてもなんとか音が鳴るし、弦が緩んできても1本だけですから締めるのにそんなに手間がかかりません。

しかし、弦の数が増えるとそうはいきません。音程を奏でようとすると、チューニングもできなければなりませんしね。

マリの楽器「ボロン」は、ひょうたんに動物の皮を張り、その上にブリッジを置き、ネックから弦を引っ張っています。弦は革製の紐でネックにしばってあります。紐でしばっただけだと演奏しているうちに緩んでくるような気がするんですが、革紐だと大丈夫なのでしょうか。

同じくマリの「シンビ」は、「ボロン」よりも洗練された感じで毛皮がかっこいい。弦が多いのでブリッジがかなり高くなって演奏が難しそうです。そして、ブリッジの溝の方向がネックに対して垂直なのがポイントですね。ネックの方向に出っ張った2本の細い棒は握り棒で、ブリッジを支えるものらしい。この楽器も、弦は革製の紐でネックにしばってあります。

そして、同じくマリの「コラ」。こちらはおそらくアフリカの弦楽器の最高峰です。ハープやギターの原型とも言われ、「グリオ」と呼ばれる世襲制の専門の音楽家が演奏します。ひょうたんの共鳴胴に張られた弦は21本もあり、「シンビ」と同じく高いブリッジに刻まれた溝はネックに対して垂直。しかも左右に刻みがあります。弦はやはり革製の紐でネックにしばられています。

ウガンダの「ラババ」は、三角形に木を組んで、ひょうたんに対して横に渡した木から弦を引っ張っています。この形のままで、ひょうたんの切り口が上ではなく横向きになったものも写真で見たことがあります。弦は木に直接結びつけて、胴の下部についた糸巻きでチューニングするようになっています。

エチオピアの「クラール」は、「ラババ」と似た形ですが、糸巻きが上部に弦の数だけついています。ブリッジは小さくて洗練されたデザイン。これならチューニングもしやすそうですね。