大阪音大「楽器資料館」ひょうたん探し(4)ひょうたん笛
by 丸黄うりほ
大阪音楽大学音楽メディアセンター「楽器資料館」でのひょうたん探しレポート4日目のテーマは、「ひょうたん笛」です。
まず目についたのがケニアの「アブ」。これはとても大きい笛で2メートルほどもあります。説明文がありましたので書き写すと……。
「ヴィクトリア湖付近に住むルオ族の楽器。ひょうたんを3個つなぎあわせて作られている。音楽を演奏したり、信号やメッセージの伝達にも用いられます」
ひょうたん3個!上部と中間部には長ひょうたん、下部には丸くて大きなひょうたんが使われているようです。接続部にはパテのようなものが塗られています。吹き口の黒い部分は何でできているのでしょう? 表面には穴のようなものは見当たりませんが、下部には穴があるのでしょうか? どんな音がするのか?どうやって演奏するのか?謎だらけなのでネットでも調べてみたのですが、残念ながら何も出てきませんでした。
「アブ」を作るにはかなり大きいひょうたんが必要ですし、もし作れたとしても鳴らすのが相当難しいのではないかと思います。肺活量もすごくないと。おそらく音はデュジュリドゥのような低音では?
ひょうたんは、まったく加工をしなくても息を吹き込めば一応音は鳴ります。ボディに穴を開けて、指でふさいだりあけたりすれば音階も奏でられます。ですが、それだけだとわりと演奏が難しいのです。
ひょうたんに竹を組み合わせれば一気に楽器らしくなります。演奏もしやすくなりますし、音程も安定します。ひょうたんと竹という最強の組み合わせの楽器が、数多く存在するのはアジアです。
まずは、インドの「ブーンギー」。これはいわゆる蛇使いの笛。くびれ一つのひょうたんから2本の竹が出ていて、ここで音程をとる。おそらくひょうたんの吹き口にはマウスピースがついているのでしょう。リードはひょうたんの中にもぐっている部分に仕込まれているのでしょうか?
インドネシアの「ラブー」は、笙によく似た形をしています。
中国の「葫蘆笙(フールーシェン)」には、「ブーンギー」型と「ラブー」型の両方があります。これも竹の、ひょうたんの中にもぐりこんだ部分にコツがありそうですが、外からはわかりません。「葫蘆笙(フールーシェン)」はとてもいい音がしますし、通販などでも売っていますが、既製品をそのまま演奏に使うのは私のポリシーに反する……。買い求めて分解してみるのがいいのかな。(いや、それももったいないし……)
※次回193日目は1月20日(月)にアップします。