大阪音大「楽器資料館」ひょうたん探し(2)ひょうたん打楽器

by 丸黄うりほ

▲ひょうたんそのもの、ハワイの「イプ」。

▲別名トーキングドラムとも呼ばれる「ベンドレ」。

▲イコンが描かれた「ナガリット」もひょうたん楽器かな?

 

昨日に続いて大阪音楽大学音楽メディアセンター「楽器資料館」からお送りします。

我が家で育ったひょうたんたちを楽器にしてやるために、ひょうたん素材の楽器を集中的に見学。しかも「どうやったら自分で作れるか?」ということを主眼にしての見学。そんななか、これこそひょうたんそのものやん、という楽器に出会いました。

ハワイの「イプ」は、大きくて丈夫そうなひょうたんの上部を、ただすこんと横に切っただけ。だいたい「イプ」というのが、ひょうたんという意味だそうですからね。ハワイには「イプ・ヘケ」という楽器もあり、「ヘケ」は上という意味で、「イプ」の上にもう一つひょうたんをくっつけて作ったのが「イプ・ヘケ」。どちらもフラダンスで使われ、手で叩いて演奏します。

この楽器を作り、演奏するのに必要なのはひょうたんと手だけ。ですが、それだけにハードルが高い。というのは、こんなに肉厚のひょうたんはなかなかない。日本で栽培されているひょうたんは観賞が主な用途のせいか、皮が薄いんです。そして、手だけで演奏するということは、演奏そのものが難しいということを表しています。そのへんのひょうたんを、そのへんの手で叩いてもいい音がしないんです。

ですが、本物の「イプ」ほどいい音がしなくても、違う音色の楽器として使えるかもしれません。挑戦してみる価値はあると思いました。

次に。ひょうたん打楽器といえばまず名が挙がる「トーキングドラム」。この資料館ではコートジボアールの楽器「ベンドレ」という名で展示されていました。これも肉厚でしっかりした丸いアフリカ産ひょうたんならではの楽器です。ひょうたんの中に金属が張られていて、叩き方によってまるで会話をしているようなニュアンスの異なる音が出せるといいます。張られている動物の皮は何の皮かな?説明文はありませんでした。皮の真ん中の茶色いものは蜜蝋で、音を調節するために付けられているらしい。奈良公園で売っている鹿皮で作ってみたらどうかなとずっと思っているのですが。

そして、イコンが描かれた、エチオピアの太鼓「ナガリット」。この胴に使われているのもひょうたんかな?ガラスケースに納めて展示してあるので、あまり横からよく見えなかったのですが、どんな音がするのでしょう。これなら作れるかもという大きさだったのですが。後日ネットで調べてみても、この楽器については何の資料も出てきませんでした。