温泉県のひょうたん温泉 (2) おいしい温泉玉子
by 丸黄うりほ
私は「ひょうたん温泉」ののれんをくぐり、大人料金780円のチケットを買いました。周囲をぐるっと見回してみると、ロッカーがあるだけでショップ的なものは見当たりません。で、スタッフの方に聞いてみました。「あの……、なにかこちらの施設のグッズって販売されてますでしょうか?ひょうたんマークが入ったものとか 」
スタッフさんは一瞬きょとんとされていました。少し間をおいて、「……ああ、タオルならありますけど」。「あ、それ買います」と私。ロゴマークと「ひょうたん温泉」という文字が入っただけのシンプルな白いタオルでした。どうやら、期待していたようなひょうたんグッズはなさそう。
本来ならまずお風呂というところですが、私は温泉でリラックスしすぎないうちにひょうたん探しをすることにしました。
受付を出ると中庭。中庭をぐるりと囲んで左から女湯、飲食棟入り口、男湯、砂湯の順に並び、男湯の前には歓喜天が祀られています。
庭の中央にはひょうたん型をした陶器がありました!
口部から、玉子がいっぱい入ったザルにとくとくと温泉が注がれています。立て札には「縁起の湯」。なんと飲むこともできる温泉だそうです。しかも、「この温泉を飲むと「八」のつく日にとてもいいことがあると言われています」とか、「約88℃熱湯注意」とも書かれています。温度まで「88」で揃っているなんて完璧なひょうたん物件!
ゆで玉子は1個70円で88円ではなかったのがちょっとだけ残念でしたが、これが「う、ウマー!!」。非情なまでのうまさです。温泉水をそのまま飲んでも「?」でしたが、玉子って温泉でなぜこんなにおいしくなるのでしょう。なんかの化学反応?思わず帰りの電車内で食べる分も買いました。
「縁起の湯」は飲食棟の奥にもあり、そちらのひょうたんは黒色で中庭のは灰色でした。そのほか、温泉の蒸気熱で肉や魚や野菜などを調理して食べる「地獄蒸しキッチン」というのもあり、「ひょうたん海鮮盛り」というメニューもありましたが、名前以外にひょうたん要素は見当たらず。ひょうたん温泉のロゴマーク入りの「温泉蒸しプリン」というのを買って食べました。