大分・ひょうたん祭り(4)ひょうたん様ご一行、練り歩き
by 丸黄うりほ
いよいよひょうたん様がご出発です!
周囲の「よいしょ!」という掛け声とともに、片足10キロもある大わらじを、えいっとばかり持ち上げるひょうたん様。とはいえ、あまりにも重すぎて一人ではとても上がりませんから、横にぴったりとついた法被姿の世話役さんが、わらじに付けた縄をぐっとひっぱり上げて介助します。
もひとつ「よいしょ!」という声とともに、反対側のわらじが持ち上がります。左足のわらじにも縄がついていて、とても重そうです。これは、ひょうたん様にも介助の人にも相当な力が必要なんじゃないかと思います。
真っ赤な着物を着て、頭には長ひょうたんの被り物、足には大わらじ。お神酒の入った大ひょうたんを腰にぶら下げ、榊の枝を手にしたその姿は、神様というにはあまりにも面白すぎます。
「よいしょ!」「よいしょ!」思わず私も一緒になって掛け声をかけたくなるような、ゆっくり、ゆっくりしたひょうたん様の歩み。
ひょうたん様はずっとにこにこされていて、神様という存在にときどき感じる恐ろしさや、威圧的な感じがまったくしません。そのせいか、沿道に集まったみなさんからも「頑張れ!」などの励ましの声とか、「もっと頭上げや、○○ちゃん!」など、中の人に対するあたたかいヤジが飛び交います。ええっ……とちょっとびっくり。
行列はひょうたん様を先頭に、少年の刀持ち、鈴持ち、荷物持ちが続きます。先頭のひょうたん様の歩みがあまりにも遅いので、行列というよりは渋滞という感じ。この行列に馬に乗った清者や獅子舞、神楽、神輿も加わるのかなと思っていたのですが、どうもそうではないようです。
神社の鳥居からまっすぐに延び、田んぼの真ん中を貫いて続く参道は、ひょうたん様を見ようと待ち受ける人でいっぱい。氏子と思われる地元の人だけでなく、私たちのような観光客、なかには背の高い外国人観光客や、報道関係者もいて満員電車のような賑やかさです。
※次回169日目は12月9日(月)にアップします。