行き当たりばったりで音楽めいたものができていきます
by 奥田亮

成長の違うアメリカ瓢で作った2つの楽器。左:弦楽器《げじげじ》。右:リード笛《フリーダム》。
レコーディングが続きます。前回はゲストにお迎えしたお二人の音を中心に録音したのですが、今回は私だけの回。以前レコーディングしたまま、どのように使うのか決めかねたままになっていた音源に重ねていく音を録ることにしました。
登場させたのはアメリカ瓢(ロングハンドルディッパー)で作ったリード笛《フリーダム》。アメリカ瓢は、首が長く底がポッコリと丸い形になるキュートなひょうたん。同じような形のひょうたんに鶴首ひょうたんがありますが、鶴首が中型の品種なのに比べ、アメリカ瓢は体長が1m前後になる大型品種です。ただ、栽培環境や条件によって育ち方はいろいろで、実際、うちの菜園で比較的うまく育った実は、体長80センチ、首の太さ4〜5センチ、皮も厚く丈夫ですが、あまりうまく育たなかった実は、体長は89センチですが、首の太さが2.5センチ、皮も薄くで脆弱です。
写真の左がうまく育った実で作った弦楽器《げじげじ》で、今回登場したのは、写真右のうまく育たなかった実で作ったリード笛。見てのとおり、左は弦楽器にできますが、右は弦楽器にはできそうになくて、管楽器ならできそうな形です。そんなわけで必然的に誕生したのがこのリード笛なのです。肝心のリードは、細い竹筒を削り、スーパーの惣菜などが入った容器のプラスティック樹脂でできた薄いフタを切って装着したもの。ちなみにこのプラ樹脂は、惣菜に限らずいろいろな商品に使われていますが、その厚みはさまざま。ゴミとして捨てる前にリードにできるかどうかを確認するのが習慣になっています。

《フリーダム》のリード部分。かなり適当。セロテープで固定している。

リードの弁はプラ樹脂。スーパーで買ったちらし寿司の容器のフタ。
《フリーダム》という名前は、奏者のいうことを聞かない勝手気ままな音を出すからで、低い音を出そうとしてもピーとかぷーとか高い倍音が出たり、意図せずきれいな音が出たり。決まった楽曲を奏でるのは無理で、なんとかかんとかリードをてなづけてメロディらしき音が出ることがあったとしても、再現できるかというとそれもなかなか難しいのです。
今回のレコーディングでは、その特性を生かして(?)まずはこの楽器が鳴るように鳴らしたテイクを録り、そこに同じ楽器でさらに何度か演奏を重ねていきました。そうすると、自由に鳴る音を重ねてはいますが、同じ楽器なので、だいたい近似値の音がしか出ないため、何となくピッチの合う音が見つかってきます。重ねた録音データを聴くと、なんだか最初からそのピッチで吹いているかのように聴こえます。
こんな風に行き当たりばったりで音楽めいたものができていきます。自分が作曲した音楽ということでもないような、何だか主体性のない作品が立ち上がってくるのでした。レコーディングはまだまだ続きます。ああ面白い。でれろん。
(1419日目∞ 2月9日)



