それをいい音と呼ぶのかどうかはなんとも

by 奥田亮

当初の形を留めていたころのイカレレ

年始の自治会の忙しさもようやく一段落。先週からはレコーディングを再開しました。あーでもないこーでもないと、いろいろ試してみたりやり直したり、行きつ戻りつしながらも、何曲かは少しずつ形になってきました。今のところ最終形が見えて(聴こえて?)きたのは3曲。全部で8曲ぐらいはつくりたいなと考えているので、まだまだ先は長そうです。

一応お約束として、自家製ひょうたん楽器を使って演奏すのですが、ひょうたん楽器といっても、まあいろいろな種類がありまして、どの楽器を使うかを選ぶのも曲作りの大切な要素です。いきおい、最近よく使う楽器や、最近作った楽器に出番が集中してしまうのですが、そうなるとどうしても面白みが目減りし、変化に乏しくなってしまいます。そのあたりはバランスを見ながら楽器を選びます。そんなことで前回のレコーディングでは、最近あまり登場することのなかったイカレレに登場してもらうことにしました。

イカレレは、名前の如く全体がイカの形のウクレレです。長年酷使したため、頭のヒレにあたる部分が何度も壊れ、その度に接着剤でくっつけていたのですが、さすがに限界がきて修復できなくなってしまい、ほかのひょうたんで頭の部分を作って取り付けています。あまりいい感じではないのですが、まあ仕方ないかな。音には影響のない部分ですし。

頭部分が壊れ、別のひょうたんで補修したイカレレ

そんなことで、イカレレはどうしてもビジュアルの特徴に注目が集まってしまうのですが、じつは音色についてもけっこうユニークな特徴を持たせているのです。弦はオーソドックスにクラシックギターの弦を使っているのですが、ブリッジが少々ユニークで、むちゃくちゃ柔らかいバルサ材で作っているのです。普通、弦楽器は弦の音を伸びやかに響かせることを大切にすると思うのですが、響かない、伸びの悪い音にするとどうなるかを試してみたのです。やってみると、ボソ、ボソッとホントに伸びない音で、それをいい音と呼ぶのかどうかはなんとも言えませんが、かなり際立った特徴のある音になったことは確かです。今回久しぶりに弾いてみると、なにやらビンビンと濁りのある音がします。どこかになにかが接触して余計なノイスが混ざっているようです。でも、それも天然のエフェクターがかかっているとでもいいますか、案外いい音なので、そのまま弾くことにしました。

イカレレのブリッジ。バルサ材に竹を貼り付けている。

録音が終わって楽器を片付けたときに、天然エフェクターの原因と思しきことが発覚しました。ネックの指板の最下部がポロリと取れたのです。通常なら指板はネックに合わせて同じ幅でつければいいのですが、イカの形を再現すべく、下部に広がりを持たせる必要があったので、その部部分だけ別の板で作って貼り付けていたのが取れたのでした。この取れかけていた指板がビリビリとディストーションのようなエフェクトを醸していたのではないかと思われるのでした。

指板が取れてしまいました!

さて、今週もまたレコーディングです。今回は新たに2人のゲストに来ていただいて、即興演奏を録音しようと考えています。どんなことになるのか見当もつきません。どうなりますことやら。でれろん。

(1413日目∞ 1月26日)