大阪城ひょうたん探し(2)大阪城公園
by 丸黄うりほ
JR大阪城北詰駅を出て土佐堀通を西方向に歩いて行くと、左手に大阪城天守閣が見えてきます。私は京橋口から入って外堀を渡り、大阪城公園に入りました。きっとひょうたんモチーフの看板とかサインがどっさり見つかるのだろうな……とわくわく期待していたのですが……、意外にも見当たりません。
天守閣のほうまで行かないと何もないのかなぁと諦めかけていたとき、内堀に観光客を乗せて停泊している遊覧船「大阪城御座船」を見つけました。その船尾に、やっと一つ発見!豊臣秀吉の馬印、金のひょうたんです!
なぜ秀吉といえばひょうたんなのか。そのことをここで簡単に説明しておきますね。織田信長が美濃の斎藤氏(稲葉山城)を攻めた時、家臣の木下藤吉郎(秀吉)は稲葉山城への侵入に成功し、火を放ちます。秀吉はそのときに持参していたひょうたんを槍の先につけて、信長への合図にした。それがきっかけで稲葉山城は落城し、信長は勝利。秀吉は出世し、信長に「ひょうたんを馬印にしてよい」と許可をもらったといわれています。
このとき秀吉はなぜひょうたんを持っていたのでしょうか。[1]水筒として持参していた? [2]ひょうたんは縁起が良いと信じていた? それとも、[3]ひょうたんが好きだったから?
おそらく、この戦のときは[1]だったのかもしれません。ですが、その後[2]になり、やがて[3]に至ったのではないかと私は推測しています。だとしたら、秀吉はやはり私たちの仲間、ひょうたん愛好家と言えますよね。
私は極楽橋を渡って、どんどん大阪城の中心に向かって歩いていきました。しかし、その後ひょうたんはまったく見つかりません。
自慢のひょうたんアイ(ひょうたんをいち早く見つける特殊な眼)をせいいっぱい見開いて必死で探したのに……、遊覧船以外に見つかったのは「太閤なにわの夢募金 ご協力者様」のお名前一覧パネルに、地味に添えられたひょうたんイラストのみでした。
天守閣の屋根に金のひょうたんが飾られ、そのレプリカが建物の中に展示されているというのは知っていたのですが、入り口に並んで順番待ちをしている観光客の列を見て今回は入場を諦めました。