誰かと混ざることの面白さにあらためて気づく

by 奥田亮

今回のレコーディングに使用予定の楽器たち。

油断してました。12月4日ごろ雪が降るという予報があったのですが、まあこの時期は、一度チラッと降ってすぐにとけ、あとは年明けから本格的に積もる、というのが例年のパターン。今回も降るとしても大したことないんじゃないか、と思っていたのです。ところが一夜明けてみると、あらら、けっこう降ったのね。わりとしっかり積もってるではありませんか。といっても10センチ程度でしたが、ほぼ初雪から積もるとはびっくり。今年はひょうたんの水浸けと中身出しを早めに終わっておいてよかった。

さて、先月少し記しましたが、久々に音源づくりを始めました。前回CDアルバムを作ったのは2019年。できた当初は、その後、毎年作って3年で3部作を作ろうと、ちょっとだけ鼻息を荒くしていたのですが、気がつけばもう7年。今年こそはと思いながら、なかなか重い腰が上がりませんでした。

前回はミキシングとマスタリングを音楽家の片岡祐介さんにお願いした以外は、レコーディングからジャケットデザインまで自分でやったのですが、今回もそれだと、たぶんいつまでたってもやらない気がして、イベントの音響などでお世話になっている通称Bull君にレコーディングをお願いすることにしたのでした。Bull君はレゲエ好きが高じて音響をやるようになった人。私の蚊の泣くような音楽とは少々テイストが違うかもと思っていましたが、さまざまな音にフラットに向き合うピースフルな感性で、多方面から信頼を得ておられます。

もうお一人、以前からお手伝いをお願いしている方がありました。カトウシモンさん。絵を描いたりドラムや三味線を弾きながら歌ったりと、唯一無二の才能を爆発させているアーティスト。最近は〈白獅子太郎〉という名前で獅子舞を舞ったり、面白すぎるポップな曲をアップしたりしておられます。

この音源、むちゃくちゃいいのでぜひご一聴ください。このシモンさんにドラムで参加してもらうことをお願いしていたのでした。

シモンさんのとレコーディングは先月半ばに無事終了。さすがのドラミングに感嘆しつつ、自分の知らない自分が出てきたり、一筋縄ではいかなくて、録音された音を聞きながら考えあぐねたり。当然ですが一人でやるのとは全然違うなあとあらためて感じた次第。一人多重録音は、それはそれで面白いのですが、複数の感性が混ざり合った時、第3の感性が出てくるんですね。なるほどなあ。あんまり面白くて写真を撮るのを忘れました。

誰かと混ざることの面白さにあらためて気づいて臨んだ12月1日の第 2回目のレコーディング。この日は一人で素材撮りをするつもりでしたが、その日別件でシンガーで絵描きのささきりょうたさんがたまたま訪ねてきてくれる日だったので、レコーディングにお付き合いをお願いしたのです。

12月1日、ささきりょうたさんのボーカルを録音。顔が隠れてるし、変な写真ですみません。左の壁に見えるのがカトウシモンさんの絵。

これがまたびっくりするほど面白いものになりました。いやー、これはすごいな。掛け値なしで早く皆さんに聴いていただきたい。

そんな気持ちになるのも、一人でやらなかったからなんですね。そうか、そういうことか。でれろん。

(1397日目∞ 12月8日)