東横堀川沿いの書店「ホトリヲ」で、思いがけない出会い

by 丸黄うりほ

①遊歩道が整備された東横堀川界隈

②BOOKS&CAFE BAR「ホトリヲ」の看板

③入って右手にドリンクコーナー

④左手の書棚には天井まで本が

⑤平置きスペース、手前にひょうたんが!

⑥買い求めたのは、山本志乃著『旅人の食』(教育評論社)

⑦この本を出品していた棚主は「書架 巡」さん

このところ遊歩道の整備が進められて、おしゃれな水辺の街に生まれ変わりつつある大阪市中央区の東横堀川界隈。

11月下旬の三連休に、川のほとりに建つスペース「β本町橋」で森本アリさん率いる「三田村管打団?」のライブが行われたので出かけてきました。

ライブの前半は「β本町橋」の2階で演奏。休憩を挟んで後半は野外で行うという、ロケーションを生かした趣向です。バンドのメンバーは楽器を抱えて川沿いを南へ歩いていき、観客も後についてぞろぞろと移動。一行が沿岸に設けられた野外ステージに到着すると、再びゆるやかに演奏が始まりました。

そのステージのちょうど正面に、「ホトリヲ」という白いシンプルな看板が立っているのが目に留まりました。「BOOKS&CAFE BAR」と書いてあります。ガラスの扉の奥を覗き込むと本棚が見えました。

こんなところに本屋さんがあるなんて知らなかった!

本が大好物の私は、そっと扉を開けて一歩中へ入ってみました。……すると、私のひょうたんアイが「ぎゅいんぎゅいんぎゅいん!!!」と激しく反応し始めたのです!

今、確かにひょうたんが見えた?ような気がする!

お店の外では「三田村管打団?」のメンバーたちが野外ステージを降りて、もと来た方向、「β本町橋」の建物のほうへ再び移動し始めました。それにつられて観客も移動しはじめます。私もついて行ってライブの続きを見たい。見なくては。

そうだ、終わってからもういちど本屋さんへ行こう。

というわけで、演奏会が全部終わってから、私は再びその本屋さんへ戻りました。周囲は少し暗くなり始めていました(写真①②)。

「ホトリヲ」の右半分はカフェコーナーになっていて、ドリンクのメニューが書かれていました(写真③)。左半分は天井まで本が並び、お店の中央には長机がおいてあります(写真④)。長机の上にも本が平置きにされていて、「今月のテーマは旅」というポップが。そして、その横に……さっき見かけた本が、ありました!(写真⑤⑥)

ひょうたんが表紙に大きく描かれた本のタイトルは『旅人の食』。著者は山本志乃さん、版元は教育評論社。奥付を見ると2024年発行、まるで新刊のように状態の良い本でしたが、古書だということがわかりました。「古本は出会いだ!」をモットーにしている私は、その本を持ってまっすぐレジへ。支払いはキャッシュレスで現金不可、ちょっと普通の本屋さんとは違う感じです。

目当てのひょうたん本が買えてほっとしたので、お店の方に「こちらはいつオープンされたのですか?」と尋ねてみました。

お店の方によると、「ホトリヲ」は今年8月30日にオープン。棚主さんが本棚を借り、それぞれ紹介したい本や自分で作った本などを販売する「シェア型書店」なのだそうです。

私が購入した本の棚主は「書架  巡」さん(写真⑦)。販売中の本は通常棚差しにされているのですが、毎月テーマを決めて、それにそった本をお店のほうでピックアップして目立つところに平置きしているのだそう。たまたま平置きされていた表紙を見て、私がひょうたんに捕まえられてしまった!というわけだったようです。

「ホトリヲ」さんでは現在も引き続き棚主募集中。月に1回程度、棚主さん同士の交流会、一般の人も参加できる読書会なども開催されているそう。東横堀川の水辺を盛り上げる新たな拠点の一つとなりつつあるようです。とても素敵な試みですね。

さて。購入した本『旅人の食』の内容についてはまた来週報告したいと思います!

(1396日目∞ 12月4日)

※次回1397日目は奥田亮「でれろん暮らし」12月8日(月)にアップ。

1398日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、12月10日(水)にアップします。