まだ生きてる!ユーホー「アントニヌス・ピウス」
by 丸黄うりほ

①収穫した先成りの実にドリルで穴を開ける

②皮がかたくてドリルを入れるのに苦労しました

③洗濯ネットに実を入れてゴミ箱の底へ

④カゴに重石をのせて水を注ぎ入れました

⑤蔓からもげ落ちた「17号」

⑥瀕死の「アントニヌス・ピウス」に雌花の蕾が!

⑦清らかでとても美しい

⑧今朝の雌花。健気で涙が出そう
先週、先成りの実6個の収穫をお伝えしていたユーホー「アントニヌス・ピウス」。私は収穫したての、薄い緑色をしたひょうたんが大好き。ひょうたんが見せてくれる姿のなかでも、この状態がいちばん好き。できればこの状態をいつまでも眺めていたいと思うのです。
というわけで、惜しくてなかなか次の段階へ行けないのですが、そういうわけにもいきません。このままで実をほったらかしておくと、カビだらけになって腐ってしまうのみ。ついに先週の金曜日、意を決して作業にとりかかりました。
まず、ひょうたんにタネ出し用の穴を開けました。普通は蔓を切って口部に穴を開けるのですが、必ずしも口部でないといけないわけではありません。ですが、どこに開けるにせよ、ひょうたんにドリルを立てるのは勇気がいる。
さんざん考えた末、3個は口部、2個はお尻に穴を開けることに。カビがはえて自然に乾いてしまった「2号」だけは穴を開けず、そのまま乾かしていくことに決めました。
まずは蔓を切り、直径2センチのドリルを立てました。が、入らない。ものすごくかたい。
どうしようもないのでドリルのサイズを急遽1センチに変更しました。穴が小さくなるとタネ出しが大変なのですが、仕方がありません。(写真①②)
なんとか穴をあけたひょうたんはすべて洗濯ネットに入れ、その状態で45リットルのゴミ箱の底に。上にピッタリサイズのカゴを嵌め、重石をしてから水を注ぎ入れました。(写真③④)
重石なしでひょうたんを水に入れると強い浮力で浮いてきてしまう。ひょうたんの肌が水の外に出てしまうと、その部分にカビが生えて美しく仕上がらないのです。ひょうたんが水から浮かず、なおかつ潰してしまわないように、この「丸黄式ひょうたん水浸けシステム」を数年前に考案しました。
水を注ぎ入れたら、ビニール袋を中蓋にして、上からゴミ箱の蓋を閉めました。このようにして2週間ほど経つとひょうたんの中身(ワタ)が溶け出すはず。あとは時間におまかせ、ひょうたんの神様におまかせです。
後成りの実をつけたまま栽培中の「アントニヌス・ピウス」の株のほうは、ますます蔓枯れが進んで、見るからに年老いてきました。特に9月に入ってから結実した「16号」と「17号」に続く蔓が腐ってきたので、念のため実をスイカネットで覆うことに決めました。
その翌日のこと。「17号」が、蔓から落ちていました。(写真⑤)
私は蔓が切れてしまうのではないかと心配してネットを被せたのですが、そうではなくて、蔓にヘタがくっついたまま、実がもげ落ちていたのです。こんなことになるとは。いよいよ株ごとご臨終か……。
土曜日は東大阪市の「存在」で、日曜日は茨木市の「オークシアター」で、ソロユニット「オール電化ひょうたん」のライブをさせていただきました。たくさんの方にひょうたん音楽を聴いていただくことができて胸熱。
ライブが無事に終わってほっと一息、それは、そんな週明けの火曜日の夕方のことでした。
……わずかにのこった「アントニヌス・ピウス」の緑色部分に雌花を発見!(写真⑥⑦)
他の蔓にはお相手となる雄花も咲いています!
写真⑧は、今朝撮影したものです。雄花の花粉が、雌花の花芯についているのがわかるでしょうか?
「アントニヌス・ピウス」はまだ生きています。満身創痍になりながらも、残された命をせいいっぱい生きています。
(1382日目∞ 10月29日)



