いや、傷を生かした造形を目指しましょう。

by 奥田亮

乾燥を終えた今年のひょうたん。カビとヒビ割れが…。

こちらはカビなのか、中が少し腐敗したのか…。

水浸けせずに放置している最後の実。虫食い痕が無惨。

栽培中の虫食い痕は、まだ軽めだったのに…。

この夏は酷暑だったこともあって夏野菜が10月になってもまだ元気だったりして、気がつけば白菜や大根など秋野菜を植えるタイミングを失してしまっていました。ナスとピーマンはいまだに花を咲かせていて、少しはまだ実がなりそうです。10月に入ってかろうじて大根だけは遅ればせながら種まきをし、来月末にはなんとか小さくても何本かできたら御の字かなという感じです。

小さな菜園での季節の転換は難しくて、毎年タイミングを逃してしまいます。今年も白菜はあきらめて、来春に向けての土づくりを始めました。トマトを植えていた畝の黒マルチを外し、新たに枯草をのせ、さらにその上に土を重ねて、また黒マルチを掛けます。

掛ける前にたっぷり水をやる必要があるのですが、水をまくよりも雨を待った方が効率もいいし、よく水も入ります。ということで、ずっと雨を待っていたのですが、待っているとなかなか降らないもので、きょう(26日)ようやく雨になりました。これでたっぷり水が入ったので、黒マルチを掛け、来春まで放置します。雪の下でじっくり菌ちゃんを育ててもらい、熟成するのを待つのです。

今年のひょうたん4つは、無事乾燥も終わりました。4つとも、まあまあきれいに仕上がったとは思いますが、愛瓢会の展示で見かけるような美しい肌に仕上げるのは難しいものです。栽培中にできた傷や穴、表面のひび割れ模様、乾燥中にできたカビなどいろいろ難点があって、どうやったら防げるのか。みなさんきっといろんな苦労をされているのでしょうね。まあ、私はあまりそこにはこだわりはないのですが……。

じつはあと1つ、最後の最後にできた実があり、水に浸けずにそのまま放置しています。成長途中で終わってしまったので表皮が薄く、水に浸けると崩れてしまう可能性があるのです。栽培中、虫が表面をかじっていて、痕が残っていたのですが、まあ大勢に影響はないだろうと思っていました。

ところが放置している間に、かじられた痕がどんどん深く大きく、見るに耐えない姿になっているではありませんか。こんなになるんだったら、やっぱり栽培中になんとか駆除すべきだった、と思わざるを得ません。消毒とか薬とか、そんな誘惑が少し頭をよぎりますが、いや、この傷を生かした造形を目指しましょう。でれろん。

(1381日目∞ 10月27日)

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