10月6日|でれろん暮らし|その251「その後どうなったでしょうか」 by 奥田亮

ちゃんとひょうたんの形をした実は順調に成長

by 奥田亮

意を決して水替え。最初の2つはほぼOK。

中身を振り出し、2度目の水替え終了。

図書館のひょうたん。かぼちゃと交雑した実はうまく育たなかったようです。

図書館のひょうたん。これはいい形。

図書館のひょうたん。アーチの上にも2つ!

10月に入り、ようやく秋も本格的にやる気を出してきました。私の住まいする長野県小布施町の主要産業は農業。中でも果樹の栽培が盛んなところなので、秋は実りの季節。ブドウ、マスカット、ナシ、クリなどが、あちこちの店先に所狭しと並びます。お祭りや運動会、イベントなどが目白押しで、1年で一番にぎやかになる季節です。

そんな秋のにぎわいを背中に感じながら、暇な古本屋の裏の菜園で瓢臭と向き合うのは、何か特別な修行のようで、何ともいえない心持ちになります。今年は例年に比べて気温が高く、取り組む時期も早かったので、水に浸けたひょうたんの腐敗も順調すぎるぐらい進んでいます。1週間前に1度水を替えたのですが、今朝見るとバケツの水面に白い膜が薄く張っていて、さらに腐敗が進んでいる様子。どうみても臭いことはわかりきっていので、見ないふりをして通り過ぎました。

ああ、でもそうも言ってられません。意を決して今朝(5日)、水替えを行いました。匂いは思ったほどではありませんでしたが、むけてヌメヌメする表皮をぐじゅぐじゅとタワシでこすり取るのは、やはり修行のようでした。最初に浸けた2つは、ほぼ中身も出て、表皮も完全に取れました。後から浸けた2つは、まだ中に少し身の塊が残っていて、表皮もむけきりません。いずれにせよもう1週間浸けておくことにします。

さて、9月1日のでれろん暮らしでお伝えしていた町の図書館の庭で栽培中のひょうたんは、その後どうなったでしょうか。気になったので先日また見に行ってみました。前回もお伝えしていたように、かぼちゃと一緒に植えられていたため、ひょうたんの実のいくつかが交雑していて、まるで夕顔のような大きな寸胴の実が成っていたのですが、交雑故かうまく成長しなかっかようで、切り落とされて脇に捨て置かれていました。触ってみるとブヨブヨしていて、やはりちゃんと育たなかったようでした。

交雑していない、ちゃんとひょうたんの形をした実は順調に成長していて、アーチの上にも隠れるようにしてできている実もあります。あともう少したてば収穫してもよさそうです。さあ、この「結の庭」に参加しているメンバーの人たちにも、瓢臭を体験していただきましょう。そして、できあがった実で楽器を作ることができれば楽しいではありませんか、でれろん。

(1373日目∞ 10月6日)

これまでの『でれろん暮らし』はこちら

  • 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。