瓢臭とのお付き合いがはじまります。

by 奥田亮

収穫した大寿1号と2号。

1週間後に収穫した大寿3号と4号。

口からドリルで穴を開け中身をできるだけ潰します。

樋に設置した雨水タンク。網籠の蓋のおかげでボウフラもわきません。

水浸けし、漬物用の重石で蓋をします。

今年最後の実。激しい虫食い。虫は弱った実が好物。実として残せるかどうか。

9月も半ばを過ぎるとさすがの酷暑も落ち着きをみせ、朝晩急に冷え込む日も増えてきました。先日も昼間は暑かったのに夜になると急に、涼しいのを通り過ぎてブルブルっと寒くなり、長袖シャツを着た上にマフラーまで羽織ってしまいました。

そんな中、菜園のひょうたんを見てみますと、最初に結実した大寿1号2号はすでに成長を終え、乾燥も進んで表面が白くなっています。さらには少し表面にひび割れたような模様が出てきています。ひょうたんは結実してから60日ぐらいが収穫時期とのことで、計算するとだいたいそれくらはたっていたので、9月21日に思い切って収穫しました。長野に来てからの栽培は、毎年収穫を引き延ばして気がつけば年をまたぎかねない時期にようやく収穫し、水浸けならぬ氷浸けになり、春を待ってようやく乾燥ということがたびたびありましたので、今年はかなり早めの収穫ということになります。

いつもなら収穫後に少し眺めたりして愛でたりしていたのですが、今年は翌日には水浸けを敢行しました。まだ暖かいうちに浸けた方が腐敗が進み、早く中身が抜けてきれいな実ができあがるのです。太くて長いドリルで口から穴を開け、バケツに水を張って浸け、漬物用の重しをして日向に置いておきます。水は樋を切って雨水を貯める雨水タンクから汲み出して使います。このタンクは、我ながらうまくできたなと思います。作った当初はボウフラがわいて困りましたが、編み籠にネットを被せた特製蓋をしてからはピッタリわかなくなりました。

株にはまだ、その後に結実した実、大寿3号4号がぶら下がったままでしたが、よく見るとこちらもすでに表面が白くなり、蔓は木質化して固く茶色くなっています。うーん、これはもう成長することはないよね。いっそ収穫してしまおうか、でも、結実から60日はまだたってないしな、でも、もう成長しないなら収穫しても問題ないよね、とかなんとか逡巡していましたが、葉っぱもほぼ全部枯れてしまっているし、この際!っと収穫。その勢いで一気に1号2号を浸けているバケツに追加投入し、水浸けまで完了させました。結実してからまだ45日ぐらいですが、まあなんとかなるでしょう。

さて、じつは3号4号ができて、さすがにもう打ち止めと思っていたら、なんともう1つ結実していたのです。いつのまに! 9月22日に気づいたときには体長20センチ。いつ結実したんだろう?このタイミングで、すでに葉っぱも枯れてきているので、これ以上成熟するのは望めません。これは水浸けせずにそのまま放置してみます。

1週間経ったバケツの水は、少し白濁して微妙なツーンとした匂いがしはじめました。うーん、これこれ、この匂い。来週には一度中身を振り出して水を換えましょう。この先数週間は、瓢臭とのお付き合いがはじまります。あああ、でれろん。

(1370日目∞ 9月29日)