8月4日|でれろん暮らし|その244「足らないを楽しむような心持ち」 by 奥田亮

欲張るのはひょうたんらしくありません

by 奥田亮

結実した大寿1号(7月17日)。

もう1つの苗も育って、結実。順調に成長中(7月24日)。

8月2日、成長した大寿1号。体長30センチ。

8月2日、成長した大寿2号。こちらも体長30センチ。手前の実はしぼんでしまいました。

楽器《ビビリンチョ》の改造・メンテは、まだ少し課題を残しつつも、とりあえず一区切りにしました。そんな間にも、菜園のひょうたんが育ってきたのでご報告です。

7月10日ごろ、地植えしている2苗のうちの1つを受粉。17日には少し大きくなっていたので、無事結実したことを確認しました。その後も順調に生育して、8月2日現在、体長30センチ。まずまずの大きさです、実の形からして、たぶんこれは大寿。 もう1苗の方も、20日ごろ結実が確認できました。2つ並んで結実していたので、迷いつつ2つとも残すことにしましたが、その後片方だけが大きくなり、8月2日現在、体長30センチ。後からできたのに最初にできた大寿1号と同じ大きさになりました。ほそおもてで、「飛鳥美人」的な優美な形ですが、やはりこれも大寿なのかもしれません。大寿2号ということにしましょう。残念ながらもう片方はあまり成長せず、触ってみるとフニャフニャでしぼんでしまいました。

千成とか百成とか、もう少し小さな実のなる品種なら、さらにこれから受粉させて実を増やしてもいいのですが、大型品種なので今年は1苗に1つだけに絞ってみようと、脇蔓はどんどん切り、摘花して実にエネルギーを集中させてみることにしました。とはいえこの先、さほど大きくなることはなさそうな気がします。せめて表皮が分厚くしっかりしてくれたらと思います。

ぶらぶらとひょうたんの実が下がる景色は、何度見てもいいもんですね。今年植えた場所は、去年のひょうたんの枯れた蔓を細かく切って土に載せただけの畝。毎年終わったひょうたんの蔓の処分に困っていたので、これがうまくいくことがわかれば、ひょうたんの循環型生産ができることになります。もう少し養分があればもっと立派な実になるのかもしれませんが、そうやって欲張るのはひょうたんらしくありません。足るを知るというか、足らないを楽しむような心持ちでいられたらいいですね。でれろん。

(1350日目∞ 8月4日)

これまでの『でれろん暮らし』はこちら

  • 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。