ありがとう!「夏越しのひょうたん狂い」
by 丸黄うりほ

①6月14日「夏越しのひょうたん狂い」フライヤー

②最初の出演は、河流游卣(かわながれゆうゆう)こと奥田亮さん

③続いて登場は、ダンバウ&シンセサイザーの山﨑明さん

④最後に、「ヒョータニスト・パーティ」の4人が演奏しました(撮影:中島敏子さん)
6月12日と13日に「全日本愛瓢会」の今年の大会が福井市で開催され、「ヒョータニスト・パーティ」のメンバーとして信州の奥田亮さんが福井まで足を伸ばしてくださることが決まった時。「この流れで関西ライブもやっちゃいませんか?」という話になりました。
同じくメンバーのフェイ・ターンさんが、「奥田さんの雰囲気に合うと思う!」と強く推薦してくださった大阪・北浜のライブハウス「チャクラ」さんのスケジュールを確認すると、「6月14日はあいてますよ」との回答。もうこれは進めるしかないのでは?と全員一致しました。
対バンとして、ダンバウ奏者の山﨑明さんに出演をお願いしたところ、ご快諾いただくことができました。さらに、奥田さんが「ヒョータニスト・パーティ」とは別にソロ演奏の時間を持たれることも決定。
「フライヤーも私が作りましょう」と、奥田さん。それは素敵!仕上がってきたフライヤーはさすがのセンスでしたが、「河流游卣(かわながれゆうゆう)って誰?だいいち、読めないし」と、私は思わず苦笑しました。まあ、そんなところも含めて奥田さんらしいです。
今回のイベントは、私たちの自作ひょうたん楽器に、ダンバウも含めて、「登場するのはすべてひょうたん楽器!」というのがメインテーマ。6月の行事といえば「夏越の大祓」。それにひっかけて、集まってくださったみなさまに「ひょうたんサウンドでいのちの洗濯をしていただこう」というのがもうひとつのテーマです。
当日は6月らしい大雨の日でしたが、おかげさまで会場は満席になりました。
まずは河流游卣こと奥田さんの出演。この「ひょうたん日記」の月曜「奥田亮のでれろん暮らし」をご愛読くださっているみなさまにはおなじみの、自作ひょうたん楽器が次々と紹介されました。
ひょうたんに、いろんな素材を張って作った弦楽器の響きは、繊細で、渋い。倍音や、障りを聴き取った耳が、「ああ、この音、この音!」と喜ぶような感じです。奥田さんは、ひょうたん楽器の改良をこまめに行いながら、日頃からこの「かそけき音」を楽しんでおられるのでしょう。
続いて登場の山﨑さんは、ベトナムの伝統的な一弦楽器・ダンバウと、かなりマニアックなエフェクター、シンセサイザー、ルーパーなどを駆使して、ここではないどこかへ連れて行ってくれるような音世界を披露してくださいました。
深い緑色の水に浮かぶハスの花や、雨にけぶるベトナムの田園風景が私のまぶたに浮かんだのは、その日のお天気に影響されて……でしょうか。
三番目に出演したのが我ら「ヒョータニスト・パーティ」の4人でした。ひょうたん楽器は、会場の大きさや天井の高さ、マイク、スピーカー、当日の天候などによって響きが変わってくるのですが、前日に福井市のハピリンホールで出した音と、この日のチャクラでの音はかなり質感が異なりました。
さらに、福井ではひょうたんマニア、大阪では音楽好きと客層もかなり違っていました。しかしどちらも温かい。モリカワさんと長く演奏してきた曲、フェイさんが作ってくださった曲、奥田さんと一緒に作った曲と、演奏曲の出自もそれぞれ違っていたのですが、またそれが面白い。
ひょうたん音楽を聴いてくださったお客様。チャクラのみなさん。対バンの山﨑さん。「ヒョータニスト・パーティ」の仲間たち。この場で、ひょうたんで遊ばせてくださったすべてに、お礼を言わせてください。
「どうもありがとう!」
(1341日目∞ 7月10日)
※次回1342日目は奥田亮「でれろん暮らし」7月14日(月)にアップ。
1343日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、7月16日(水)にアップします。