ひょうたんの花によく似たこの白い花は…?

by 丸黄うりほ

▲9月、日本銀行大阪支店前にて。

 

9月初めの朝早く、大阪・淀屋橋の日本銀行の前を通ったら、蔓性の植物が庭のイチョウの木や花壇の緑にからまり、そこに白い花がいっぱいついているのを見かけました。

「もしやこれはひょうたんでは……?」と思い、スマホで写真を撮ったのですが、近づいてよく見ると、ちょっとだけ似ているけれど、花の形も葉の形も違う。花は、花びらの先が白いヒゲのようになっていて、それが束になってしゅわしゅわと出ています。葉は、ひょうたんの葉よりも小さくて、もっと規則正しい形をしていました。

いったい何の花なのか。わからないまま10日ほど過ぎたころ、再び日本銀行の前を通ったら、あいかわらずその花が満開といえるほどたくさん咲いていました。近くに植栽の手入れをしている人がいたので、「この花は何の花ですか?」と思い切って訊いてみました。

すると、職員さんは「雑草です。何の花かわかりませんねんけど、勝手に生えてくるんです」との答え。

な、なんと雑草なのか。日本銀行の御堂筋に面した庭なのに、雑草を茂らせておくのは意外だなと思いました。でも蔓性の植物というのは簡単に引き抜くことができないし、葉も花も見た目がわりときれいだからそのままにしているのかな……などと思いを巡らせながら、でもあの花の形、葉の形はウリ科植物なのではないか……とも思い、私は帰ってからネットで調べてみました。すると、よく似た感じの植物としてヒットしたのがカラスウリでした。

10月に入って、なんとなくツイッターを見ていたら、「この花は何の花なのでしょうか?」というツイートがタイムラインにあがってきました。見ると、その花は日本銀行の庭の花と同じです。そのツイートにはすぐにレスがついて、「カラスウリでしょう」と。やはり、あの花もカラスウリだったのだ!と思いました。

どうやら、カラスウリは、ひょうたんと同じウリ科植物で、花の色は白、夜間だけ咲くところまで同じのようです。しかし、この植物がひょうたんと違うのは雌雄異株であること。そして、塊根を持つ多年草だということです。つまり日本銀行前のカラスウリは、除草しない限り毎年生えてくるということになりますね。

私は自転車を走らせて、カラスウリの今の様子を見てきました。9月ほどたくさんの花はついていませんでしたが、まだ花が残っていました。そして、その花たちを手にとってじっと観察しました。どれも雄花でした。