空堀商店街でひょうたん探し[1]お好み焼きのクチ
by 丸黄うりほ

①空堀商店街にあるお好み焼き店「匠」

②千成ひょうたんの暖簾が素敵です

③アーケードに、ひょうたんマークを発見!

④ひょうたんオブジェにも遭遇

⑤芸能人も多数訪れる有名お好み焼き店「冨紗家」

⑥なんとこちらにも、ひょうたん暖簾が!

⑦コンさんは「豚玉」をオーダー

⑧ワインによく合う「グラッチェチーチャン焼」
先週に続いて、「ひょうたんグルメ班」のレポートです。
南森町で天麩羅、森ノ宮でおでんをおいしく食べた「ひょうたんグルメ班」のコンさんと私は、次はどこへ行こうかなと相談し、お好み焼きにしようと決めました。まだ食べるんかい……というツッコミが聞こえてきそうですが。
とはいえ、目当てのお店が開店するまで少し時間があったので、森ノ宮から上町台地を経由して空堀商店街まで歩くことに決めました。このあたりは史跡が多く、古き良き大阪の歴史が感じられて街並みも美しく、お散歩にもぴったりのエリアです。新潟県出身のコンさんは、「この辺のことは全然知らないな」と言ってましたが、もったいない。
さて。「ひょうたんグルメ班」は30分ほど歩いて目的地に到着しました。空堀商店街の谷町筋東側にあるお好み焼き店「匠」です。
写真①をご覧ください。この店構えです。黒板には「創業60年」と書かれています。そして写真②。千成ひょうたんマークの暖簾が、いかにも空堀らしい、絶対良い店に違いないオーラを醸し出していますよね!
開店は17時半とグルメサイトには書かれていたのですが、店頭のガラスには「3月の営業時間は18時〜」と張り紙がありました。時計を見ると17時45分。ということで、向かいの公園のベンチで時間をつぶしました。
18時ちょうどに暖簾をくぐろうとすると、年配の男性客が数人、先に入っていかれるところでした。お店のご主人は私たち二人を見て、「すみませんー、きょうは貸切なんですよー」と。なんと……。
「また来ます」と、店を出た「ひょうたんグルメ班」でしたが、もう、クチがお好み焼きになっていたのに、どうしよう?
「空堀商店街だし、何かほかにもひょうたん物件があるかもしれませんよ。もうちょっと歩いてみましょうか」と、コンさん。「そうですね」と私。このコンさんの提案が大当たりでした!
まず、谷町筋で信号待ちをしている時に、道路をはさんで向かい側の商店街の入り口に、ひょうたんマークを発見!(写真③)。さらに、少し歩いて行くと、シャッターの降りた商店の前で、ひょうたんオブジェを発見!(写真④)
わあわあ騒いでいたら、小学校高学年くらいの少年が「それは千成ひょうたんですよ。ここは大阪城の堀があったところですから」とクールに言い放ち、そばに自転車を止めて、隣のお店へずんずんと入っていきました。
お店の中をのぞくと、成人男性が一人いらっしゃいました。目が合うと出てきてくださって、「豊臣秀吉の馬印の千成ひょうたんですよ。うちのは割れてて汚いけど、近くのお茶屋さんはきれいに保存されてますよ」と。
そのお茶屋さんのきょうの営業はもう終わったようで、すでにシャッターが降りていました。
男性にお礼を言って、コンさんと私はさらに商店街を東へ西へ行ったり来たりしました。「お好み焼き、残念でしたね。この近くにはテレビや雑誌によく出ている有名なお好み焼き屋さんもあるんですが」と、コンさんに話しかけながら、そのお店「冨紗家」の前で立ち止まると……。(写真⑤)
なんと、暖簾が、ひょうたんではないですか!(写真⑥)
店頭に出ているメニューを見ると、とてもおいしそうです。さっき一度ひっこめたはずのお好み焼きのクチが、「ひょうたんグルメ班」の二人に、あっというまに蘇ってきました。
この誘惑には勝てないなー。というわけで、二人はいそいそと中へ。コンさんはオーソドックスな「豚玉」(写真⑦)とビールを注文。私は「当店おすすめ」とメニューに書かれた創作お好み焼き「グラッチェチーチャン焼」をオーダー(写真⑧)。パリパリチーズがたっぷりとのった、チヂミのように薄い個性派お好み焼きで、相方に赤ワインをチョイスした自分を褒めてやりたくなりました。
「コンさん、きょうはありがとう。「匠」にも行きたいけれど、さっき聞いた「お茶屋さん」も気になるし、近いうちにまたこの商店街に来なくては」と、私は自分に言い聞かせるようにつぶやきました。
(1294日目∞ 3月19日)
※明日(3月20日)の「ひょうたん日記」はお休みです。
次回1295日目は奥田亮「でれろん暮らし」3月24日(月)にアップ。
1296日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、3月26日(水)にアップします。