思い出のひょうたん、まだ見ぬひょうたん
by 丸黄うりほ

①「ひょうたんせんぱい」に会える「みちの駅 くちくまの」

②昨年5月には「ひょうたんせんぱい」コーナーが出現

③フェイさんが木工作家さんに作ってもらった、ひょうたん型まな板(①②③撮影:フェイ・ターンさん)

④これは、鎌倉市「大船フラワーセンター」で見かけました

⑤「色絵瓢文皿(いろえひさごもんさら)」

⑥太宰府天満宮の厄晴れひょうたん(⑤⑥撮影:児嶋佐織さん)
いよいよ年度末ですね。2024年度、私の周囲のひょうたんアクティビティは、新展開のあった一年になりました。ということで、今回は24年度を振り返りつつ、今までにアップしきれていなかった写真を中心に紹介していきましょう。
まず、なんといっても大きかったのは、新しいひょうたん音楽ユニット「ヒョータニスト・パーティ」を組むことができたことでした。結成のきっかけは、2023年の秋にフェイ・ターンさんの自家用車に乗せてもらって、杉浦こずえさん、コンさんと私の4人で、和歌山県上富田町を旅したこと。2024年4月には、やはり和歌山県の串本町にある「田並劇場」で4人による初ライブを行うことができました。
フェイさんは、その後の5月にも「田並劇場」へ行って映画を観てきたそうです。フットワークが軽くてうらやましい。で、その帰りに「みちの駅 くちくまの」に立ち寄ったら、なんと上富田町のマスコット、「ひょうたんせんぱい」コーナーが復活していたとのこと!
もともと「みちの駅 くちくまの」で扱っているという情報を得ていたのに、私たちが2023年に旅したときには扱いがなく、4月の串本町ライブの帰りは時刻が遅すぎて、閉まっていてなかに入ることができませんでした。
5月にフェイさんが撮ってきてくださった写真②を見ると、ポップもたくさん貼られていて、「ひょうたんせんぱい」は大プッシュされている感じですね。ああ、私もせんぱいにまた会いたいです!
∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞
さて。やはり同じ5月のこと。フェイさんが今度は写真③をフェイスブックにアップされていました。
みごとな、美しいひょうたん型!首の部分が少し傾げているのがまたいい感じです。このひょうたん型まな板は、フェイさんが知り合いの木工作家さんに作ってもらったもの。作家さんには「ひょうたんのまな板、絶対売れますよ!ライブの時に物販しますよ!」と、笑顔で話していたそうなのですが……。
数カ月後にその作家さんは亡くなり、おそらく試作品としてひとつだけ作ってくださっていた、このまな板が遺作となってしまったそうなのです。
なんということでしょう! 私もその作家さんに会いたかった!ご本人からまな板を買いたかった!フェイさんは、文章の最後に「宝物にしますね」と結んでおられました。
∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞
その後、「ヒョータニスト・パーティ」には、「でれろん暮らし」でおなじみ奥田亮さんと、「ヒョウタン総合研修所」の森川訓恵さんも加入。6月には6人組で「全日本愛瓢会 愛知県知立市大会」の懇親会で演奏会を行いました。
さらに、7月「神戸 BIG APPLE」でのライブを経て、9月には神奈川県鎌倉市の「大船フラワーセンター」で開催された「ヒョウタン展」にあわせてライブを行うことができました。この様子は、「ひょうたん日記」に詳しく書いたのでプレイバックしていただけるとうれしいのですが、そのときに1点だけうっかりと紹介しそびれた写真がありました。
それがこちら、写真④です。
ライブが無事に終わって、大阪へ帰る間際に、フラワーセンターの裏門近くの物置においてあるのを見かけたのです。少し古いもののように見えますが、何につかわれていたものなのでしょうか? 園長先生にうかがってみてもはっきりせず、「ヒョウタン展」を紹介した他の文章にも関連がないということで、これについてはどこにも書くことができず、きょうまできてしまいました。
しかし、改めて見ればみるほど良い形ですね。色もオレンジでポップ。大きくて、存在感もじゅうぶんです。もし販売されていたなら、これも絶対ほしい。部屋に置いてインテリアとして使いたいです。
∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞
9月の鎌倉遠征のすぐあと、10月4日には和歌山県御坊市で「戯瓢(けほん)踊」を観ました。また、秋はひょうたんの収穫期であり、「花形文化通信」編集長の塚村さんに6月から預かってもらっていた縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」も立派な実をつけてくれるなど、「ひょうたん日記」でお伝えしたいことがてんこ盛り。
そんなわけで、「デイリーちくわ」の児嶋佐織さんが福岡県太宰府市の「九州国立博物館」で見つけて撮ってくださり、11月にメールで送ってきてくださったお写真も、紹介する時期を逃して今頃になってしまいました。
それでは、写真⑤をどうぞご覧ください!
なんという素敵な意匠なのでしょう。12個のひょうたんが、時計の針のようにぐるりと並んでいます。
作品に添えられた説明書きによると、これは「色絵瓢文皿(いろえひさごもんさら)」と呼ばれる江戸時代の鍋島。「田中丸コレクション」の一つとして展示されていたようです。常設展示品ではないようなので、この写真は貴重!いつかどこかで、私も実物にお目にかかれたらいいなぁ。
最後の写真⑥は、同じ時に児嶋さんが撮ってきてくださったもの。太宰府天満宮の境内に鈴なりに吊るされた「厄晴れひょうたん」です。
思えば、太宰府天満宮で「厄晴れひょうたん 焼納祭」を見せていただき、「ひょうたん日記」に書かせていただいてからもう3年になります。今年も来月4日には、あの厳かな、ひょうたん好きにとってはいささか衝撃的な行事が行われます。厄を封じてくれたひょうたんに、多くの方が感謝を込めて祈られることでしょう。
(1288日目∞ 3月5日)
- 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョータニスト・パーティ」「ヒョウタン総合研究所」のメンバー。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
- 2024年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦された方々)
- フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長、KFさん(東大阪市)、ともきちさん(田辺市)、ヒロミさん&ヤブタさん(淡路島) ※みなさまお疲れ様でした!