今度は琴柱(駒)のやりかえです。なんとかしたいと思っていました。

by 奥田亮

丸棒を削って駒をつくる

前回からの続き、ひょうたん楽器《瓢立琴》のメンテの続編です。心棒が直立していなかったのを修正したつもりが、あまりうまくいかなかったのですが、まあ前よりは少しマシにはなったので次に進みます。今度は琴柱(駒)のやりかえです。

琴柱は丸棒を削って屋根のような形にしたものを両面テープで貼り付けて使っていますが、移動の度に外れてはなくなり、を繰り返し、気がつけば2、3個しか残っていない状況になっていました。両面テープにしたのは、チューニングのために動かせるからなので、それはそれで便利なのです。ただ、弦をはじいた時に駒がいっしょに動いてしまうことがあり、なんとかしたいと思っていました。そこで試みに駒の裏側にフェルトを貼り付けてみました。多少滑り止めになるかなと思ったのです。

駒の裏にフェルトを貼り付ける

残念ながらこれは失敗でした。やはり駒が動いてしまいます。ただ、音がマイルドになっていることに気付きました。以前からちょっと音が硬くて耳障りがよくないようにも感じていたのです。これはわりといいかもしれません。そこで今度は、浮かないようにフェルトの上から両面テープを貼って表面にくっつけてみることにしました。これでうまくいったと思ったのですが、どうもなんとなく少し音が小さくなったような気がします。

うーん、これはもしかしたらひょうたんの曲面に平たい駒がピッタリついていないからかもしれない。何かうまく曲面に密着させる方法はないだろうかと思案していたら、心棒を直立させるために切断したひょうたんの破片が目に入りました。同じひょうたんから切断された破片なので、曲面はだいたい同じはずです。合わせてみると当然ピッタリです。試みに破片を短く割って駒を貼り付けて装着してみました。なんかうまくいきそうです。さらに破片の裏にフェルトをくっつけると接地面が大きくなって安定もよく音もマイルドになりました。音もさっきよりは大きくなったような気がします。

切り取ったひょうたんの破片は当然ながら表面の湾曲に沿う

ということで、この方針に則って駒を7つ作りました。今まで弦は6本にしていたのですが、作った当初から7本にしたいと考えていたのでした。ところが、途中まで出来上がって弦を張って試奏しているうちに、まあこれでもいいかとなって結局そのままになっていたのでした。

破片をくっつけた駒が完成

そういえば弦を固定する下の穴はなぜかたくさん開けていたのですが、上の穴は6本だけ。糸巻きも6本分しかありません。あれれ、どうだったっけ? でもせっかくなので7本にしようと思ったのですが、もう1本糸巻きをつける場所がありません。仕方ないので少し余裕のあったナットに近いところにちょっと斜めに穴をあけて無理やり7本仕様に。糸巻きもいくつか新調しました。

糸巻きをなんとか7本に

さて、これでいよいよ弦を張れば完成ですが、弦がないことが判明し急遽ポチりました。残念ながら届くのは今回の報告には間に合いませんので、続きはまた次回に持ち越しです。でれろん。

(1279日目∞ 2月10日)