中国に行けば出会える?ひょうたんの茶こし
by 丸黄うりほ
ひょうたんとお茶。昨日は秋田の伝統工芸・樺細工のひょうたんの茶さじについて書きましたが、きょうもお茶の話題が続きます。
「今、中国にいます。素敵な茶こしを見つけましたよー!」
大阪で外国人向けの料理教室「Osaka kitchen」を主宰されている稲垣陽子さんから、先日そんなメールが届きました。稲垣さんは「ひょうたん日記」にもよく目を通してくださっていて、「きーさん(※丸黄うりほ)のおかげで私もひょうたんをみるとうれしくなってしまいます」などと言ってくださる有難い方です。
メールには写真①②が添えられていました。
写真をよくみると、なんとひょうたんの茶こしではないですか!しかも、ひょうたん型をしているだけではなくて、本物の千成ひょうたんを二つ割りにして作られているように見えます。
「帰国されたら、その実物をぜひとも見せてほしいです!」と興奮気味に連絡すると、「ごめんなさい、写真だけなんですよ」との返信。どうやらこの茶こしはお土産店などで見つけたのではなく、宿泊した先で使われていたものらしい。
稲垣さんが宿泊したのは、福建省のおもに山岳地帯にたくさんある「土楼」と呼ばれる伝統的な建築物。それらは「土楼群」として、ユネスコの世界遺産にも登録されているようです。そのライフスタイルから「東洋のユダヤ人」と呼ばれることもある客家(はっか)という人々が住む集合住宅も「土楼」が多く、どうやら稲垣さんの宿泊先も客家の人たちが建てたものだったよう。
この地域の人々は一日に何度もお茶を飲むらしく、朝ごはんのあとウーロン茶をいれてもらったときに、このひょうたんの茶こしが登場したのだそう。いいなあ、うらやましい!
写真③とともに、お茶をいれている動画も見せてもらったのですが、本当にカジュアルに、当たり前のものとして日常づかいされている感じでした。福建に行けば、ひょうたんの茶こしには普通に出会えるのかな?それとも観光客にアピールするためのちょっと珍しいものなのでしょうか?
ちなみに、土楼の内部は赤い提灯が飾られ、いかにもエキゾチックな雰囲気(写真④)。外からみると、壁に囲まれた巨大な建物だということがわかります(写真⑤)。こんなところに泊まれるなんて、素敵ですよね。
稲垣さんによると、客家の人々もひょうたんが好きらしく、建物にもひょうたんモチーフが使われていたそうです。
写真⑥をご覧ください!こちらは排水口。土楼には、風水の関係で入口の近くに水を貯めるところが設けられているらしく、その排水口にもひょうたんが添えられていました。やはり、ひょうたんと水は切っても切れない関係ですね。
それにしても中国はひょうたん物件が豊富そう。いつか行ってみたい憧れの土地リストに、福建がいま加わりました。
(1275日目∞ 1月30日)
※次回1276日目は奥田亮「でれろん暮らし」2月3日(月)にアップ。
1277日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、2月5日(水)にアップします。