1月6日|でれろん暮らし|その218「ひょうたんをトッピング」 by 奥田亮

まあ興味のない人にとっては邪魔なだけだわねえ

by 奥田亮

スワロー亭の正月飾り

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。期せずして「ひょうたん日記」の新年最初が「でれろん暮らし」になってしまいました。少々締らない感じですが、ひょうたん故、でれろんな感じでお許しください。

お正月は、スワロー亭のあります小布施町の商工会の慣しで、毎年年末から年始にかけて店の入り口に紅白幕をつけることになっており、今年も12月25日ごろから、1月14日、15日に開かれる皇大神社のお祭り「安市」が終わるまで飾り付けます。

商工会から配布されるのは紅白幕と飾り紐ですが、わがスワロー亭は言うまでもなく、毎年ひょうたんをトッピングしております。あまり気づく人はいないんですが。この、少しひょうげた味わい深い形の百成は、数年前、たぶん近所に住むマダムが、「おじいちゃんが持ってたんだけど、うちにあってもアレだから」とかなんとかいって持ってきてくださったもの。記憶にはないのですが、私がひょうたん好きということを申し上げたことがあったのでしょうか、これ幸いとお持ちくださったのでした。ひょうたんの飾り物って、昔はもっと普通に家にあったんだろうなと思いますが、まあ興味のない人にとっては邪魔なだけだわねえ。

もう年賀状を出さなくなって久しいのですが、いただいた年賀状のお返事だけはさせていただいておりまして、20年以上も前に作った「はんこ絵」の干支シリーズの印影をスキャンして拡大し、photoshopで彩色したものを使ったりしております。

かつてのはんこ絵を加工した巳年の干支絵

2025年は巳年ということで、かつてのデータを引っ張り出してみました。大蛇の上で神様みたいな人が玉のようなものから光を放っており、カエルとナメクジならぬ行者が三すくみのごとく佇んでいる絵。どういうつもりで描いたのか、すっかり忘れてしまいましたが、当時は物語を彷彿とさせる絵を描くのがマイブームだったのでした。

はんこ絵の印影(2001年)

画中には「扨(さて)、廿一(にじゅういち)世紀に相成り候」とあります。そうか、かつて「未来」の代名詞だった21世紀になってからもう干支が二回りしたのか、としばしぼんやりしてしまいました。

はんこ絵の印面。天地42ミリ。われながらよく彫りましたね。

今年は久しぶりにはんこ絵も復活させてみようかな。とはいえ、パソコンの画面でさえしょぼしょぼして見えないのにできるのかしら。でれろん。

(1266日目∞ 1月6日)

これまでの「でれろん暮らし」はこちらから

  • 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。