縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」の水浸け始まりました!
by 丸黄うりほ
昨日の続きです。我が家に帰ってきた縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」の4個の実たちが進むべき、次なる段階。それは、別名「瓢道の山場」とも呼ばれる苦行であります。
カボチャなどのウリ科植物は皮をむいて中身を食べますが、ひょうたんの場合は逆。残すのは外皮だけで、中身は捨ててしまいます。では、どうやって中身を出すかというと、水に浸けて、中身を腐らせてドロドロにして振り出してしまうのです。これが、本当に臭い。
この臭さに耐えること。この苦行こそが、「瓢道の山場」と呼ばれる所以であります。
まずはひょうたんに穴をあける作業を行いました。標準的なひょうたん型のひょうたんでは、口部のとんがったところに穴をあけることが多いのですが、ほぼ球形に近い縮緬いぼ瓢ではどうするべきか悩みます。
塚村さんが可愛らしくヘタを残してくださっていたので、それを生かすために全部お尻に穴をあけようかとも考えましたが、実をひっくり返してみると、お尻のギリギリのところまでいぼがあります。このいぼに穴はあけたくない。
……というわけで、いぼが少なめでリンゴ型をした「ハドリアヌス4号」のみ、ヘタを残してお尻に小さめの穴をあけ、他の3個は上部に穴をあけることに決めました。
「4号」にあけた穴は直径1センチで、これはさくっとドリルが通ったんですが、他の3個は直径2センチにしたこともあり、なかなか硬くてドリルが進まず。汗をかきつつ約30分くらいかけて、やっと全部の穴があきました。(写真②)
次に用意したのは「丸黄式ゴミ箱システム」一式です(写真③)。
まず、穴をあけたひょうたんを、大きめの洗濯ネットにいれました。そして、それを45リットルのゴミ箱の底におきます(写真④)。ゴミ箱の上部にはぴったりサイズのカゴをおき、その中に重石となるコンクリートのブロックをおきます(写真⑤)。
それを風呂場に持っていき、ブロックの上からじゃーっと湯を注ぎ入れました(写真⑥)。ブロックの上まで達したら水を止めました。水の表面には、ぷくぷくと泡が。ひょうたんにあけた穴から空気が出て、かわりに水が浸透していくのがわかります(写真⑦)。
これで、ひょうたんに直接力がかかることなく、水の中にひょうたんを完全に沈めることができました。ひょうたんの浮力はかなりなもので、重石がないとすぐに浮き上がってきてしまいます。水の中に沈み、腐り始めたひょうたんの皮はつるりときれいにむけるのですが、水から顔を出している部分があると、そこにカビが生えてしまいます。シミのない、きれいな素ひょうたんに仕上げるには、全体を完全に水に浸けておく必要があるのです。
臭いの充満を避けるため、まずはビニールの袋で覆いをしました(写真⑧)。ひょうたんが水に沈み出したら、重石とカゴをはずして蓋をします。そこまでだいたい2週間から3週間。時間がじっくりと仕事をしてくれます。
おそらく1週間ほどで、この箱からなんともいえない、独特の瓢臭が漂い始めることでしょう……。風呂場がイオウのような異臭で満ち、温泉気分が味わえる日々はもうすぐです(笑)。
(1247日目∞ 11月14日)
※次回1248日目は奥田亮「でれろん暮らし」11月18日(月)にアップ。
1249日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、11月20日(水)にアップします。