両腕で抱える愛♡ 特大ひょうたんぬいぐるみ

by 丸黄うりほ

①栽培アーチにひとつだけ残されたひょうたんが可愛い。前を行くのは「ヒョータニスト・パーティ」の面々(撮影:中島敏子)

②「大船フラワーセンター」ミュージアムショップ入口の看板

③本物のまめひょうたん

④ひょうたんのお漬物

⑤「にじゆら」のひょうたん柄てぬぐいなどがずらり

⑥連れ帰ってしまった、特大ひょうたんのぬいぐるみ

⑦手前の緑色は、千成サイズのぬいぐるみ

⑧7キロの巨大猫と比べてもこの通り!

先週金曜日そして昨日は、鎌倉市の「大船フラワーセンター」へ向かう道中のSAで見つけたひょうたんについて、少し脱線しつつもお伝えしました。きょうはいよいよ今までに出会ったことがなく、「ひょうたん日記」でもお伝えしたことのない、最大級のひょうたんグッズの紹介です!

9月15日の朝に関西を出発し、その日の夕方「大船フラワーセンター」に到着した我々「ヒョータニスト・パーティ」一行は、まず「ヒョウタン展」が行われているホールへ向かいました。その1階にはミュージアムショップがあり、展覧会にあわせてひょうたんグッズが特集されているようでした。

「気になる!」と思ったものの、まずはメインの展示を見学し、それからライブのリハーサルを行って……、と当日のスケジュールはびっしり。

というわけで、きちんとミュージアムショップを見ることができたのは、翌日のライブ終了後になりました。

ミュージアムショップの入口には、「ひょうたんグッズのごあんない」という看板が立てられていました(写真②)。そのラインナップは、本物のまめひょうたん(写真③)や、小田原の「しいの食品」のひょうたんのお漬物(写真④)といったアイテムから、大阪堺の「にじゆら」のひょうたん柄てぬぐいまでがセレクトされていて、はっきりいって全部買い占めたいくらい(写真⑤)。

なかでも、心が吸いつけられたまま戻れなくなってしまったのが、ひょうたんのぬいぐるみです。ひょうたんをぬいぐるみにしてしまったという驚きもさることながら、その大きさたるや。大人が両腕でやっと抱えられるほどのサイズです。しかも、色といい、形といい、ほとんどデフォルメされてなくてリアル。ただしお値段もそれなりにします。

私は自身の内面からマグマのように湧き上がってくる煩悩をぐっとこらえ……、理性で無理矢理に押さえつけようとしましたが、ダメでした。欲望に完全に打ちのめされました。完敗です。

そんなわけで、私はこのビッグサイズのひょうたんぬいぐるみと、もうひとつ。千成ひょうたんサイズのキーチェーン付きのぬいぐるみの二つを抱えて、レジに並んでしまいました。ふと気がつくと、ヒョータニストの森川訓恵さんも同じぬいぐるみを抱えて並んでいます。ああ、彼女もやられてしまったのですね、わかります。

しかし。私たち二人がひょうたんのぬいぐるみを買ってしまったことを聞いた、「大船フラワーセンター」の榎本園長は、さらりとおっしゃいました。

「このぬいぐるみ、秋篠宮さまもお持ちなんですよ」

「ええっ!」

と驚く私たちに、園長は続けておっしゃいました。「この展覧会のために作ったんですが、まだ数個しか出ていません。数量限定で、ひょうたんの丸みを布で再現するのが大変で、作るのがとても難しくて量産できないんですよ。今後は全国の植物園でも販売できたらいいなとは思っているんですが」

さすが、秋篠宮さま。大きなひょうたんがお好きだと聞いているので、この大きなひょうたんのぬいぐるみもさぞやご愛用のことでしょう!

さて、「大船フラワーセンター」から自宅に連れ帰ったひょうたんのぬいぐるみは、ソファベッドの上が定位置に決まりました。測ってみると高さ50センチ。千成サイズのほうは高さ10センチ。並べると大きさの違いがよくわかりますよね?(写真⑥⑦)

我が家にいる、体重7キロの巨大猫と比べてもこんな感じです。(写真⑧)

改めていいなと思うのは、ひょうたんのてっぺんの「ヘタ」の部分ですね。この部分のナチュラルな造形が、ぬいぐるみ全体の完成度をぐっと上げているなと感じます。

この型紙を作った方は、本物のひょうたんをご存知なのだなとわかります。ひょうたん型のデザインは世の中にたくさんありますが、イメージだけで作ったものと観察して作ったものではリアリティが違う。さすが植物園のオリジナルグッズだなと感心してしまいます。

秋篠宮さまのエピソードを含め、この買い物はまったく正しかった。理性を凌駕する愛というものがこの世にはあるのだ。今ならそのように断言できます!

(1239日目∞ 10月24日)

※次回1240日目は奥田亮「でれろん暮らし」10月28日(月)にアップ。

1241日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、10月30日(火)にアップします。