あらら、なんだかハリネズミみたいでカッコエエ
by 奥田亮
またまたご無沙汰してしまいました。さて、先々週はヒョータニスト・パーティの「大船フラワーセンター」でのコンサートのご報告いたしましたが、その折ご紹介した最新の自作ひょうたん楽器「無病雨乞杖」(レインスティック)の製作工程について詳述させていただこうと思います。
レインスティックは一度作ってみたいとずっと考えていた楽器でありながら、なぜか実際に着手する機会を逸していたのですが、Mさんからフラスコ型のエセUFOをたくさんいただけるというお話をいただいて(「でれろん暮らし」その203参照)、そうだ、フラスコ型を6個つないで棒状にしてレインスティックを作ってみようというアイデアがパカンと閃いたのでした。それでMさんにエセUFOを6ついただき、頭とお尻をカットして縦につないでいきました。本来のレインスティックは乾燥したサボテンや竹で作る長い円筒形ですが、ひょうたんをつないで凸凹にすることで共鳴が複雑になるのではないかと考えたのです。
さっそく作り始めて2つつないだところで、肝心のことを分かっていないということに気づきました。レインスティックは、長い筒状の躯体を、中に入れたタネや小石がカラカラと上から下へゆっくりと流れ落ちていくので雨音のような音が鳴るのですが、どうやったら「ゆっくり」落ちていくのか、その構造を全く分かっていなかったのです。おそらくなんらかの障害物を入れているのだろうということは予想がついたのですが、実際のところどういう構造なのか?
ということでいつものようにググってみたら、螺旋状に棒をさしこんでいくということがわかったので、スーパーで焼き鳥用の竹串を買ってきてブツブツと差し込んでいきました。あらら、なんだかハリネズミみたいでカッコエエ。できればこのハリネズミ状態をそのまま残したいところでしたが、さすがに怪我しそうなので、ひょうたんから出た串はブチブチとカット。残念ながら少々インパクトがなくなりましたが仕方ありません。中を見ると、竹串が螺旋階段のようにきれいに並んでいて、これも見えたらカッコエエんですが……。
さて、次は中に入れるものをどうするか。砂や小石では重たすぎる気がして米を入れてみたらサラサラといい感じですが、ちょっときれいに流れすぎて雨音っぽさが少ないように感じたので、大小取り混ぜたビーズを入れてみたら、落ちる速度も違って音に変化が生まれました。これは分量や素材をいろいろ試したり変えたりすると面白そうです。ということで一方の端を塞いでしまわずにコルク栓にして中身の入れ替えができるようにしたのですが、この小さな口から小さな粒を入れるにはロートが必要です。ホームセンターに買いに行かねばと思ったのですが、いっそロートもひょうたんで作るべきではないか! と切ったひょうたんの破片を集めて作ってみました。なかなかいいですね。
さて、「大船フラワーセンター」では、このレインスティックが湯浅先生の目に留まり、先生自ら演奏を披露してくださったのですが、「棒をもっと増やせばいいですよ」とアドバイスをいただいたので、持ち帰ってからさらに竹串を増やしました。これで結構落ちる速度が遅くなって雨音っぽさが増しました。
ということでひょうたんレインスティック「無病雨乞杖」は一応の完成をみたのでした。さっそく来たる10月27日に町の図書館で開催される「物語祭」というイベントで演奏する機会がありそうです。中身を入れ替えるか、このままいくか、楽しみながら考えたいと思います。でれろん。
(1237日目∞ 10月21日)