生まれてくるひょうたん、生まれ変わったひょうたん
by 丸黄うりほ
先週水曜そして木曜に続いて、きょうもヒョータニストさんの庭と畑から報告を続けていきましょう。その前に……。
まずは写真①をご覧ください。こちらは小野市のヒョータニスト、おーさきさんの新楽器。鶴首ひょうたんで笛を作ってみたそうです。まるでへびつかいの笛みたい。そして写真②は千成ひょうたんで作った弦楽器。弦にはテグスを使ったそうですが、ちゃんと音階も奏でられるらしい。どんな音か、聴いてみたいなぁ。
おーさきさんは今年、千成ひょうたんと縮緬いぼ瓢を栽培中。写真③は10月11日に収穫した千成たちで、写真④は縮緬いぼ瓢の新しい実です。みかんくらいのサイズで、「ミニイボイーちゃん」と呼んでいるそう。しゅっとした美形の千成シスターズも、イーちゃんの実も、いずれは楽器に生まれ変わるのでしょう。
続いては写真⑤をご覧ください。震えるほど可愛いこちらは、田辺市のヒョータニスト、ともきちさん作のひょうたんスピーカー「オトダマオトスケ ステレオセット」です。音源メモリー付きアンプとスピーカーのセットで、電源に繋げるだけですぐに音楽が流れるそう。スピーカー部分にひょうたんを使っているだけでなく、アンプの「つまみ」にもミニひょうたんが使われているのがわかるでしょうか?
そんなともきちさんが今年栽培されているのは、ハイブリッドひょうたんの「へうたーん」です。写真⑥は8月29日にも紹介した実「へうたーん1号」の9月15日のようす。濃い緑色に白い班のある表皮、しずくのような形が個性的。しかし、同日に撮影された⑦⑧の実は全然違う形をしています。すべて同じタネから生まれた実なのに、色も形もさまざま。次にどんな実が出てくるかわからない。ガチャガチャを回しているみたいで栽培もじつに楽しい「へうたーん」。こちらも将来が楽しみです。やはりスピーカーになるのかな? アカリンコ(ライト)になるのかな?
さて、次は写真⑨をご覧ください。こちらは、大船フラワーセンターでの「ヒョータニスト・パーティ」でも大活躍だったフェイ・ターンさんの新楽器です。へっぽこなリズムを奏でる、その名も「せんなリズム」。音も可愛いけど、ビジュアルがラブリー!フェイさんの作る楽器は写真映えもバッチリですね。
そんなフェイさんのひょうたん栽培は、ラストスパートに入っています。写真⑩は9月25日に収穫した百成。本体が枯れてしまったので、受粉から日の浅い実たちもあとひと月ほどで収穫予定。千成たちは10月に入っても花が咲いているそうですが、人工授粉は行わず見送る予定だそう。たくさん収穫できた実たちから、また新たな音が生まれそうです!
最後に、写真⑪⑫をご覧ください。⑪は和泉市のヒョータニスト、ヤマミーさんが昨年収穫されたオオナガユウガオの実。この実を使ってヤマミーさんが最近制作されたのが⑫。オオナガユウガオの実を二つ割にして、牛の角を表現しているんですね。これは、「隅っこ人形劇団ニッチ」の公演で「化石の牛」として登場したのだそうですよ。
ヒョータニストさんのお世話によって生まれてくるひょうたん。そして、ヒョータニストさんのアイデアで、いろいろなモノに生まれ変わったひょうたん。どのひょうたんも、みんな幸せそうに輝いています。
(1235日目∞ 10月16日)