フラスコ型のエセUFOを6つ繋いだレインスティックが誕生
by 奥田亮
9月16日(月・祝)、鎌倉の大船フラワーセンターで、ヒョータニスト・パーティのライブがありました。祝日とはいえ、朝昼2回公演とも満員御礼、楽しい演奏会になりました。これ一重に大船フラワーセンターと湯浅浩史先生、並びにご関係の皆様方のお陰であります。心より御礼申し上げます。詳しくは10月3日(木)にアップされたひょうたん日記で丸黄うりほさんがすでに報告されていますので、そちらをご覧ください。そこにも書かれていますが、さらに大船在住のブロガーネコタ斑猫さんが詳細な報告と感想、さらにライブの動画を全編アップしてくださっていて、この内容がまた素晴らしいのでぜひお読みください。ということで、私からは補足的な感想を少し。
びっくりして困ったのは、朝昼どちらの回も期せずしてアンコールをいただいたことでした。まさかアンコールなんて誰一人予想していなかったので、ほんとに何にも考えてなくて、セッション、セッションと適当に楽器をかき鳴らしました。観客の皆さまがあたたかく盛り上げてくださり、おかげさまで会場の温室は加温していないとはいえ熱気むんむん。マント風の衣装を着ていたこともあって、滝の汗でした。ありがとうございました。
そして、丸黄うりほさんも書いておられますが、何といってもクライマックスは昼の部の最後に湯浅先生がご参加くださり、レインスティックをぶん回してくださったことでした。このレインスティック、私がこの日のライブに間に合わせようと作った楽器だったので、湯浅先生に弾いていただけて感慨も一入でした。演奏するお姿は、全日本愛瓢会のホームページでご覧いただけます。
レインスティックは、アフリカ発祥で世界に広まり、南米で雨乞いの儀式に使われるようになったという楽器。長い筒状の胴体はかたく乾燥したサボテンで、空洞になった内部にサボテンの針などを差し込み、小石や豆を入れて鳴らすと雨のような音がします。私はこの楽器を、ひょうたんで作りたいと考えていたのです。普通に考えれば、長瓢かアメリカ瓢の首で作るところですが、それではなんだか面白くない。ということで、最終的にフラスコ型のエセUFOを6つ繋いだレインスティックが誕生したのでした。大船に持参した時には、名前を付けていませんでしたが、湯浅先生に演奏していただいた姿を拝見してようやく名前が決まりました。題して「無病雨乞杖」。雨を降らすと同時に疫病も退散させるという霊験あらたかな楽器であります。
この「無病雨乞杖」、大船で湯浅先生にアドバイスをいただき、持ち帰ってさらに改良を加えてパワーアップしております。製作工程については次回詳しくご報告させていただきます。でれろん。
(1232日目∞ 10月7日)
- 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。