大船フラワーセンターで世界のひょうたん楽器に会う(その1)
by 丸黄うりほ
神奈川県鎌倉市の「大船フラワーセンター」で、10月1日(火)まで開催中の「ヒョウタン展」。いよいよ日程も残りわずかとなりました。
自作ひょうたん楽器を奏でる我々「ヒョータニスト・パーティ」は、この展覧会のポップアップイベントとして、9月16日(月・祝)に園内でライブを行いました。その報告もしたいのですが、まずは本展について報告します。ひょうたんや楽器に興味があって、まだ展覧会をご覧になっていない方は、ぜひ時間を作って会場に足を運んでください。私は大阪住みで鎌倉はまあまあ遠いのですが、これは本当に見られてよかった!と感じています。
さて。私たち一行(森川訓恵さん、フェイ・ターンさん、奥田亮さん、丸黄うりほ)が、大船フラワーセンターに着いたのは、9月15日の夕方でした。本館2階フラワーホールで、今回の展示品の大部分を出品された植物学者の湯浅浩史先生に会うことができ、まずはご挨拶させていただきました。
湯浅先生は、私たちに展示品のひょうたん楽器についての説明をじきじきにしてくださいました。以下、そのお話を踏まえつつ、私自身の感想を書き留めていこうと思います。
世界40カ国・地域から集められたひょうたん楽器は、合計176点。会場の壁に貼られた地図(写真③)によると、アフリカ、東南アジア、インド、オセアニア、中南米など、暖かい地域のものがほとんど。それは、ひょうたんの栽培ができる地域とほぼ重なっています。
展示の最初に、「ヒョウタン楽器の分類」という表が貼られていました(写真④)。1つ目は「気鳴楽器」で、ひょうたんに吹き込んだ空気の振動により奏でるもの。笛や笙などがここに入ります。2つ目は「体鳴楽器」。ひょうたんそのものを叩く、打ち合わせる、こするなどして鳴らすもので、イプ、ギロ、マラカスなど。3つ目の「膜鳴楽器」は、ひょうたんに張った皮を叩くもの、つまり太鼓です。4つ目は「弦楽器」。ひょうたんに張った弦を響かせて演奏するもので、一弦のビリンバウから多弦のシタールやコラまでがあります。
ひょうたんの「気鳴楽器」には、リードのついたものとついていないものがあり、リードなしの代表がハワイの「鼻笛」。千成ひょうたんにいくつか穴をあけただけという非常に簡単な構造です(写真⑤)。これにリードがつくとマダガスカルの「ヒョウタン笛」のように音階が奏でやすくなります(写真⑥)。
写真⑦はマダガスカルの「トランペット」。手にされているのは、若い頃の湯浅先生です。竹でできた本体の吹き出し口にひょうたんをつけて、音が響くように工夫されています。
圧巻だったのが、ボルネオ、ミャンマー、タイ、バングラディシュなどから集められたたくさんの笙です。日本の笙にはひょうたんは使われていませんが、やはりその原型はひょうたん製だったのだとか(写真⑧)。
竹管の数は4本から8本が多いですが、さまざま。竹とひょうたんにあけた穴との接着には蜜蝋が使われているそうです。鶴首型のひょうたんの口部から直接息を吹き込むタイプもありますが、吹き口を取り付けているのもあります。
写真⑨も笙。ものすごく派手な形をしていますね。音色を変えるというよりも、見た目にインパクトを加えるためにこのような形になったのだそうです。
(1227日目∞ 9月25日)
*あしたに続きます 明日と明後日も、「ヒョウタン展」レポートの続きをお伝えします。ぜひお読みくださいね!