いつまでも演奏していたい気分でした。

by 奥田亮

右からnaoさん、葛目絢一さん、奥田。

信濃公堂180畳の大広間での演奏。寝ながら聴いてる人も(笑)

9月1日は「信濃の国 原始感覚美術祭」の本祭に参加しました。開催場所は長野県大町市の木崎湖畔にある「信濃公堂」。180畳の大広間の周囲を廊下が囲む大正5年に建てられた木造建築で、毎夏ここで社会教育講座「信濃木崎夏季大学」が開かれている大きな学舎です(大町イイトコリスト-11/vol-16信濃木崎夏期大学/)。

「原始感覚美術祭」はここを拠点に木崎湖周辺や大町市街各所で作品展示やパフォーマンスが行われる今年で15回目となるアートフェス。毎年参加されているホーメイ歌手の葛目絢一さんからお誘いをいただいて今回出演の機会をいただきました。パーカッションやおもちゃを奏でるnaoさんと3人での演奏です。

演奏はトゥバの民謡を中心に即興とオリジナル曲という構成。演奏時間30分はあっという間に終わりました。え? もう終わり?とステージ上で思ったぐらい短かった。だいたい普段行き当たりばったりの即興ばかりやっていて、決まった曲を演奏するということがほとんどないので短く感じたのかもしれません。

そんな中、印象に残ったのは、出だしの即興に続いて演奏した「Өскүстүң ыры(孤児の歌)」というトゥバの伝承曲。題名からも想像がつくように静かで重たいこの曲を、葛目さんとnaoさんがトゥバの楽器イギル、私が和紙張りのひょうたん胡弓《ジョージくん》と3人とも擦弦楽器という編成で演奏。これがなんとも気持ちよく、いつまでも演奏していたい気分でした。葛目さんがX(旧ツイッター)に動画を公開していますのでせひお聞きください。YouTubeはこちら。

公演は14時から21時過ぎまでという長丁場。10数組の音楽やダンス、即興パフォーマンス等が繰り広げられました。(ありがちなことながら)結果的にどんどん時間が押して、終わった頃にはもう年寄りは眠くて眠くて……早々に宿に引き揚げさせていただきましたが、「ウケ」に拘らない、即興性の高い「前衛」的な表現を観るのは久しぶりでした。80年代の自分に照らして懐かしいような恥ずかしいような感慨にふけりながら楽しく拝見した次第です。

現地で調達した素敵な帽子。ひょうたんに見えなくもない。(以上の写真すべて:中島敏子)

さて、次は9月16日(月・祝)、ひょうたん日記の丸黄うりほさん率いる「ヒョータニスト・パーティ」の一員として鎌倉にある日比谷花壇大船フラワーセンターで演奏させていただくことになりました。これは、9月6日から開催される「ヒョウタン展〜楽器の原点〜 世界のヒョウタン楽器と装飾」という企画展の一環として開催されるイベントです。詳しくは9月5日のひょうたん日記をご覧ください。 演奏もさることながら、世界のヒョウタン楽器150点が一堂に会する稀有な機会です。楽器に興味のある方はマスト! ぜひお出かけください。

(1222日目∞ 9月9日)

ヒョータニスト・パーティLIVE~ヒョウタン展(詳しくはこちら
9月16日(月・祝) 10時30分/13時30分 無料(入場料別途:大人400円)