台風一過。ヒョータニストさん栽培報告の続き

by 丸黄うりほ

①中野由紀昌さんのカラヴィカひょうたん。台風前に収穫

②ヤマミーさんのマルユウガオ、高さ32センチ、胴回り63センチ

③ヤマミーさんの千成も収穫。いろんな形が可愛い!

④塚村編集長に委ねた縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」。蔓が屋根に達しました(8月撮影)

⑤4個めの実「ハドリアヌス4号」はイボが少ない?

⑥「ハドリアヌス4号」となった雌花、7月28日

⑦同じ日に咲いた千成ひょうたんの雄花。お父さん…

⑧シマシマが超絶可愛い「玉造黒門越瓜」

先週はずっと台風がそのへんにいるというお天気で、落ち着かない感じでしたね。ひょうたん栽培中は、ことのほか強風が気になります。ふだん、大きな実が蔓にぶら下がっているだけでも大丈夫かなと思うのに、風にあおられて落ちてしまったらどうしようかと思う。しかも台風って、嫌がらせみたいに、収穫までもう少しというこの時期に来るんですよね。

というわけで、きょうは先週木曜(8月29日)の「ひょうたん日記」、ヒョータニストさんたちの栽培報告の続きです。

木曜の日記でトップに写真を上げさせていただいた福岡市の中野由紀昌さんから、そのあとすぐ届いたのが写真①です。やはり台風がこわいということで、直前に16個の実をすべて収穫されたそう。

白くてつるつるして、とてもきれいなひょうたんたちがきれいに箱に収まっています。「大きさはどのくらいですか?」と尋ねると、「10センチから5センチくらい。千成です」と中野さん。そうだったんですね。私は、カラヴィンカひょうたんはすべて25〜30センチくらいの中瓢だと思い込んでいました。写真だと大きさがわかりにくくて、失礼しました。

写真だと大きさがわかりにくい。ということで、写真②は和泉市のヤマミーさんが栽培中のマルユウガオです。なんと、高さ32センチ、胴回り63センチ。堂々たる体躯です。お尻がプランターの土の上にのっており、これなら風が吹いても大丈夫だろうということで、とくに台風対策はしませんでした。

マルユウガオは、かんぴょうを作る品種で本来は食用です。ひょうたんよりも甘くておいしいのか(甘瓢ですからね)、虫が多く発生して苦労されているそう。いつものお酢守りも効き目がないそうです。これ以外にも実になりかけた雌花はありましたが途中でしぼんでしまい、結果的にこの1個に集中することになりました。収穫まであと少し、頑張ってほしいですね。

写真③は、同じくヤマミーさんの千成ひょうたんです。全部で17個。こちらはすでに収穫して次の段階へ入りました。いろいろな形があって、とてもかわいいですね!このあと何に生まれ変わるのか楽しみです。

さて、続いては今年の本命ひょうたん。奈良県の塚村編集長にお世話をお願いしている縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」の近況です。ハドリアヌスのようすをお伝えするのは7月31日以来のこと。この1カ月ほどの間に、4個目の実「ハドリアヌス4号」が生まれていました!

写真⑤がその実「4号」です。生い茂る葉にかくれていますが、よーく見てください。表面にイボはありますが、少ない。先にできた実「1号〜3号」と比べると、つるつるした部分が目立っています。

写真⑥が、のちに「4号」として結実した雌花だそう。咲いたのは7月28日でした。この時期にはまだイボが目立たないのは他の雌花も同じだったのですが……。

塚村さんによると、この日は雄花がなく、かわりに千成ひょうたんの雄花が咲いたので、それで受粉したとのこと(笑)。写真⑦がその千成の雄花。これが「4号」のお父さんであります。

塚村さんには縮緬いぼ瓢1苗を委ねる前に、千成ひょうたん3苗を引き取っていただいたのですが、地植えで虫に食われて瀕死の状態で、果たして花が咲くのかなという感じでした。それが、ちゃんと花をつけていたのですね!ほとんどが雄花だそうで、自分の実は期待できそうにないですが、こうやって別の雌花でハイブリッドの子孫を残すことができました。

このハイブリッド「4号」のタネをまくと、くびれのあるいぼ瓢が生まれたりしないかな?次世代が気になります。

さて、最後に写真⑧をご覧ください。こちらはひょうたんではありません。以前紹介したこともある「玉造黒門越瓜」であります。塚村さんは今年、このシロウリも栽培されていたそうで、全部で4個の実が収穫できました。ひょうたんじゃないけど、シマシマのあるビジュアルがあまりにも可愛いのでラストを飾ってもらいました!

(1220日目∞ 9月4日)

 

  • 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
  • 2024年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん)
  • フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長(奈良県)、KFさん(東大阪市)、ともきちさん(田辺市)、ヒロミさん&ヤブタさん(淡路島)※順次追加していきます。