珍楽器のメンテ、修理、改造などを始めました。
by 奥田亮
来週の日曜、9月1日は、ホーメイの葛目絢一さんからお誘いいただき、「信濃の国 原始感覚美術祭2024」に出演します。長野県大町市の木崎湖湖畔で開催されるこのアートイベントは、木崎湖周辺や大町市街に点在する場所での作品展示を中心に、8月30日から9月1日は「祭り」の様式に則って、火起こしの儀、宵祭、本祭が行われます。2010年に始まり、今回で15周年。長野県内のアートイベントとしてすっかり定着した感があります。
我々が出演するのは本祭の「公演」枠。今回は葛目さんと私、そして、パーカッションや音具のnaoさんの3人で演奏します。7月15日に行った富士見町の「埋め草」でのライブは、じつはこの予行演習をかねていたのですが、さすがにそれだけでは心許ないので、先日3人で打ち合わせと音合わせを行いました。今回はnaoさんも参加して3人で音を出しましたが、リズムを担当してくれる人がいると安心感があって楽しさが増しました。本番が楽しみです。
概ね演奏する曲と使用する楽器が決まったので、珍楽器のメンテ、修理、改造などを始めました。まずは先日改造して《ヘビオ》から転生した《巌窟王》のヘッドに付けた共鳴胴の内部を金色に塗りました。ところが塗料が外にはみ出してしまったので、表面も全部金色にしてしまいました。なんともいえない感じになりましたが塗料の膜ができた分、少し音に張りができたような気がします(ホントかな?)。
弦はシタールの銅弦を使っていたのですが、響きが今一つのような気がして、ギターの金属弦に張り替えてみることにしました。通販サイトでかなり細めの0.216mmと0.300mmを購入したのですが、心配だったのは長さが足りるかどうか。この楽器、元々は《ダイブナガーイ》と名付けたほどに体長がだいぶ長いので、通常のギターの弦では足りないことがあるのです。サイトの仕様欄には、弦の長さまでは表記されていません。そりゃ必要ないですもんね。届いた弦を一か八か張ってみたら、なんとかギリギリ間に合いました。細い弦は多少弱々しさはありますが、銅弦が太めだったこともあって、1オクターブ高い調弦になりました。この方が倍音もよく響き、全体に「鳴り」がよくなったように思います。
ところが、その後ホームセンターに出かける用事があって、いつものクセで何か使えるものはないかと物色していたら、結束や手芸などに使う銅線があったので、もしかしたら弦に使えるかもしれないと思い、何種類か買って帰りました。早速、付けたばかりのギター弦を外して張り直してみたのですが、糸巻きを回しても回しても一向に音が高くなりません。???。張ってみて分かったのですが、この手の銅線は伸びがとてもよくて、回せば回すほど伸びるので、まったくテンションが高くならないということがわかりました。で、また元のギター弦に戻しました。
それから今回、久しぶりに初代《イカレレ》に登場してもらうことになったのですが、長らく使っていなかった間に、糸巻き部分のヒレの装飾が壊れてしまい、無残な姿になっていました。元の姿にすることはもうできそうないので、せめて中が見えないようにしようと思います。で、登場したのがうちでできた小ぶりの《えせUFO》。洋梨形がちょっとイカのヒレっぽく見えるし、面白いかもしれないなと思います。完成形は今号には間に合いそうにないですが、本番までにはなんとか!
久しぶりに弾いた《イカレレ》。弦はクラシックギターのナイロン弦ですが、ブリッジがバルサ材と竹を組み合わせたとても柔らかい素材なので、音の伸びを吸収してボソボソと安っぽい音がするのがとても心地よく、葛目さんの弾くトゥバの楽器とも不思議と相性がよいのです。
さて、本番はどうなりますことやら、葛目さん、naoさん、よろしくお願いします。でれろん。
(1215日目∞ 8月22日)