ひょうたんずかん@京都府立植物園(その1)
by 丸黄うりほ
お盆休みをいただきまして2週間ぶりの「ひょうたん日記」。きょうは、ひょうたん狂いの丸黄うりほが、いま地球上で最も好きな場所からお届けします!
好きすぎて顔を赤らめつつ告白しますと、その場所とは、京都府立植物園の「四季 彩の丘」にあるひょうたん棚♡ これほどたくさんの種類のひょうたんが一度に観察できるのは、関西ではここだけなのです。
今回も20種類以上のひょうたんとウリ科の仲間たちの実が、棚からぶら下がっているようすをカメラに収めることができました!題して「ひょうたんずかん」。今日から3回にわたって、にぎやかな今年のひょうたん棚を紹介していきましょう!
まずは写真①をご覧ください。これが2024年のひょうたん棚の全景です。中央に、ゲートのように張り出している棚が今年の特徴かな(去年はなかった)。この部分では、「千成ひょうたん」がたくさん実をつけていました(写真②)。
「千成ひょうたん」は、標準的なひょうたん型をした小ぶりの実がなる品種で、実のサイズは高さ10センチ程度。大きくても15センチくらいです。千成という名はだいぶ盛っていますが、うまく育てれば1苗で100個くらい実ができる子だくさん。全品種のなかで最もポピュラーで育てやすいひょうたんだと断言できます。タネの入手もしやすく、ひょうたん栽培入門にもぴったり。初めての方はぜひこの品種からトライしてみてくださいね。
続いて写真③にいきましょう。こちらは「百成ひょうたん」といいます。「千成」と名前も姿も似ていますが、少しだけ大きめ。だいたい15センチから20センチくらいの実が、1苗につき10〜20個ほどできます。
そして、写真④の手前に写っているのが「十成」です。「十成」はさらに大きくなり、25センチくらいの実ができます。この品種は「中ひょうたん」と呼ばれることもあるようです。
写真④の奥と写真⑤は、「大瓢」です。「大瓢」は、30センチ以上になる品種ですが、この実は受粉して間もないのか、まだ15センチほどのサイズでした。これからふくらんで、立派な実になることでしょう。
続いて写真⑥をご覧ください。こちらは受粉したてのひょうたんの赤ちゃん。ですが、この品種は「大寿」といい、全日本愛瓢会の名誉会長である時田勉さん(トキタ種苗)による改良品種で、うまく育てれば高さ55センチにもなる特大種なのです。これはぜひとも完熟した姿を見届けたいので、また日を改めて観察しに来なければなりません。
写真⑦は、「中国瓢」です。「台湾瓢」とも呼ばれ、くびれが大変強くてウエストが細く、口部が長く、なで肩であるというはっきりとした形状の特徴があります。高さは25センチから35センチほど。私は栽培したことがないのですが、とても丈夫で育てやすいときいています。
ここまでが、標準的なひょうたん型のひょうたんになりますが、一般の園芸店やホームセンターでタネが入手できるのは「千成ひょうたん」だけです。また、ホームセンターなどで「ひょうたん」とか「大ひょうたん」という名で売られているタネは、ここで見た「大瓢」とは異なり、「百成」や「十成」サイズのものが多いようです。育てやすいように品種改良され、「中国瓢」なども混ざった雑種なのではないかと私は感じています。
というわけで、純血種のひょうたんの実がなっているところがさくっと見られる「四季 彩の丘」は大変貴重なのです。明日からは、順次ひょうたん型以外のひょうたんを紹介していきますね!
(1214日目∞ 8月21日)