豊国神社のひょうたん栽培、2024年は?

by 丸黄うりほ

①京都・東山の豊国神社。立派な唐門は国宝です

②門の前に、今年の干支である龍のオブジェがありました

③青龍が巨大なひょうたんに巻きついています!

④門の脇のいつもの場所でひょうたんが実っていました

⑤形のいいひょうたんが二つ。

⑥30センチほどもある、美しいひょうたん

⑦こちらは隣接する方広寺のひょうたん棚

⑧頑張れ、2024年のひょうたんたち! 

京都・東山の豊国神社にお参りしてきました。

こちらの神社では、毎年夏になると境内でひょうたんを栽培されています。この「ひょうたん日記」でも、2020年から毎年そのようすをレポートしてきました。去年は8月30日に紹介していますが、少し時期が遅かったというのもあって、最盛期は過ぎていました。なので、今年はもう少し早めの日程にお参りしようと決めていました。

豊国神社の境内でひょうたんを栽培されているのは、「東山瓢箪プロジェクト」という地元の方々からなる団体です。「ひょうたんを育てて、東山をより風情のある町にしよう」というのがプロジェクトの主旨だそうで、このエリアの旅館の玄関先などでも同じひょうたんが栽培されています。

なぜひょうたんなのか?は、もう言うまでもないですよね。豊国神社は豊臣秀吉が祀られている神社であり、秀吉の馬印が千成ひょうたんであることから、手水舎にひょうたん、絵馬の形もひょうたん、授けていただけるお守りもひょうたん……と、ひょうたんだらけであることを、これまでの「ひょうたん日記」でも複数回紹介してきました。

私がお参りした日は、とても暑い日でした。国宝・唐門の上に広がる入道雲が、いかにも盛夏です(写真①)。

唐門の前には青龍がいました。青龍は巨大なひょうたんに巻きついています。ひょうたんには「豊国神社」の文字と豊臣家の桐紋、「京都美術工芸大学」の文字も見えます。そういえば、去年はこの位置に「秀吉うさぎ」がいたことを思い出しました。龍は今年の干支であり、青龍は都の東を守る四神でもありますね(写真②③)。

唐門脇の同じ位置には、今年も目当てのひょうたん棚が設けられていました。(写真④)

真ん中あたりに、高さ30センチほどある大きくて形のいいひょうたんがぶら下がっています。その下の方には20〜25センチほどの実も見えました。大きいほうの実はもうかなり白っぽくなっていて、早い時期に結実したのがわかります。(写真⑤⑥)

葉は緑色をしているのもありますが、半分くらいは茶色くなってすでに枯れています。花はついていませんでした。

またしても見学に来る時期が遅かったのかと思いましたが、よく見ると葉が枯れている蔓は蔓ごと枯れています。この時期に蔓ごと枯れるのは、何かの病気にかかってしまった可能性があると思いました。

私は豊国神社の隣にある方広寺へと向かいました。こちらの境内でも毎年ひょうたんを栽培されているのです。……が、やはり同じ。半分以上の蔓が枯れてしまっていました。葉が黄色くなって少しずつ老いていくのとは違って、蔓ごと灰色っぽい茶色になっていることから、ある時一気に枯れてしまったのだと思われます。 (写真⑦)

実りかけのときに途中で腐って落ちてしまった実や、茶色く変色している実もあって、ちょっと辛い感じ。けれど、なかには頑張って蔓にぶら下がっている実もありました。どちらも毎年同じ場所で栽培されているので、連作障害が出ているのかもしれません。(写真⑧)

収穫できるまで、あと少し。どうか、今できている実たちはこのまま腐らずに生き抜いてほしい。そんな祈りを可愛いひょうたんたちに捧げて、私は鳥居前に延びる正面通へと出ました。

(1211日目∞ 8月7日)