夏本番。ひょうたんたちはみんな一生懸命です

by 丸黄うりほ

東大阪市・瓢箪山のかよさん宅。かど瓢「かどちゃん」

②ふくらみ部分に山脈状の盛り上がりがあります

③大阪市の杉浦こずえさん宅。かど瓢「ガーティ」にも実がつきました

④東大阪市のKFさん宅。かど瓢「甚五郎」は雌花が少ない

⑤吹田市のコンさん宅。かど瓢「かどコン」はなかなか花が咲かず

⑥東大阪市・瓢箪山のフェイ・ターンさん宅。千成がすずなり!

⑦オクテの百成もぼちぼちと実をつけはじめました

⑧吹田市のイハリコさん宅では、野良ひょうたんが元気

⑨淡路島のヒロミさん宅でも千成ひょうたんが育っています

 8月になりました。とても暑い日が続いていますが、ヒョータニストさんたちのお宅ではひょうたんたちが一生懸命に頑張っています。きょうは、7月中に届いたみなさんのひょうたん写真を紹介していきましょう。

まずは、写真①②をご覧ください。東大阪市・瓢箪山のかよさん宅のかど瓢「かどちゃん」です。写真①は雌花。閉じた花びらとつながっている、子房と呼ばれる部分が実になるところ。そのふくらみ部分をよーく見ると、シワのようなスジが入っているのがわかるでしょうか?

写真②がしっかりと大きくなった「かどちゃん」の実です。ふくらみ部分にあったスジが、男性の腕の血管のように山脈状に盛り上がってきています。表皮はだんだんと濃い緑色に変わり、そこに白い斑が目立ってきました。表皮の色合いはアメリカ瓢(ロングハンドルディッパー)によく似ています。

葉はジャングルのように茂り、花もたくさん咲いているようですが、いまのところ結実が確定したのはこの実だけだそうです。他にも少しふくらみかけた実があるとも聞きましたので、引き続き期待しています!

続く写真③も、かど瓢。大阪市の杉浦こずえさん宅の「ガーティ」です。やはり結実はいまのところ1個だけ。この写真は私が杉浦さん宅におじゃまして撮らせていだいたものなのですが、かよさんの「かどちゃん」と比べると、ふくらみ部分の山脈のようなスジが、ややなだらかな印象です。表皮の色はやはり濃い緑色に白い斑入り。長さは約30センチほど。この写真を撮った時点ではまだ成長途中だったようなので、今はもう少し大きくなっているでしょう。

写真④もかど瓢。東大阪市のKFさんの「甚五郎」です。6月に咲いた一番花は雌花だったそうですが、その後は雄花ばかり。蔓や葉はすくすく成長しているのに、なかなか受粉・結実のチャンスに恵まれないそうです。少し蔓ボケ気味なのかもしれません。ひょうたんには、たまに雄花しかつかない蔓があるそうで、その場合はもう一度摘心を行い、曽孫蔓を伸ばす。そうすると雌花がつきだしたという例が過去にもありました。「甚五郎」もなんとか頑張ってほしい!

写真⑤は吹田市のコンさん宅のかど瓢「かどコン」。この写真が撮影されてからひと月ほどたっていますが、コンさんからはまだ花の便りが届いていません。定植したプランターが小さすぎたので、少し大きめのプランターに植え替えたそうですが、それでもまだ小さかったのかもしれません。ひょうたんは、たっぷりの土と肥料と水と太陽が大好きな、大食い植物なのです。実は無理でも、せめて花をつけてくれてくれたらいいのですが。

今年、ダントツで絶好調なのは、東大阪市・瓢箪山のフェイ・ターンさん宅です。写真⑥はすずなりと言い切っていい、豊作の千成ひょうたん。ヒョータニストのあこがれ、うっとりとするような光景ですね。3苗ですでに70個ほど実っているそうですが、まだまだ増えそうとのこと。

千成よりも遅れて発芽した百成ひょうたんもすくすく育っています。写真⑦はまだ成長途中の百成の実。いまのところ5個が結実しています。千成も百成も端正なひょうたん型をした実が多く、表面もつるつる。「今年は虫が多くて……」とフェイさんは嘆いてらっしゃいましたが、写真を見るかぎりでは虫食いも目立ちませんし、蔓や巻きひげもピンピンしていて健康そのもの。こちらもまだ増えそうですから、これからが楽しみです。

さて、続く写真⑧は、吹田市のイハリコさん宅です。なんと、昨年収穫した千成ひょうたんのこぼれダネが勝手に芽を出し、大きくなって、ついに実までつけました。

いっぽう、鉢に定植して大切に育てていた千成、かど瓢は枯れてしまい、縮緬いぼ瓢も虫の息。百成は花は咲けども実はならず……という状態で、全体的に不調なのだそう。「今回植えた玄関側は日当たりがいまいちなので、そのせいかもしれません」とご本人が分析されています。そうですね、ひょうたん栽培にとって日当たりはかなり大切です。

反対に、野良ひょうたんが勝手に生えてきた場所は、ひょうたんが好む環境だったのでしょうか。なかなか人間の思い通りに育たないのが、ひょうたんであります。

最後に写真⑨をご覧ください。こちらは淡路島のヒロミさん宅です。今年はひょうたん栽培をされていないのかなと思っていたら、千成が育っているとの報告をフェイスブックで見かけました。実際に世話をされているヤブタさんによると、古いタネを使ったために発芽率が悪く、芽が出たのは千成だけ。定植時期も遅くなり成長もオクテではありますが、葉はとてもきれいです。きっと、これから本気を出して頑張ってくれることでしょう!

(1209日目∞ 8月1日)

  • 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
  • 2024年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん)
  • フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長、KFさん(東大阪市)、ともきちさん(田辺市)、ヒロミさん&ヤブタさん(淡路島)※順次追加していきます。

※次回1210日目は奥田亮「でれろん暮らし」8月5日(月)にアップ。

1211日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、8月7日(水)にアップします。