白くなってきた?縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」の実たち
by 丸黄うりほ
ローマ皇帝の名をつけたせいか、6月上旬に大阪市のマンションベランダから奈良県の戸建ての駐車場へと出征することになった縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」。まほろばに降り立った「ハドリアヌス」は、元気に花を咲かせ、7月4日の「ひょうたん日記」では実がつき始めたことをお伝えしていました。
おかげで、この品種のアイデンティティでありながら受粉前の子房にはなかった「イボイボ」が、実がふくらみ始めると同時に出てくること。また、大きくなるにつれてはっきりしたイボに成長してくるということもわかりました。
きょうは、その後の「ハドリアヌス」のようすを、お世話をしてくださっている塚村編集長から届いた最新写真で紹介していきましょう。
まず、7月1日に撮影された写真①と②をご覧ください。結実した順に「1号」「2号」「3号」と名づけられた実たちは、たまごやキウイフルーツのような楕円体で、3個とも鮮やかな黄緑色です。イボイボが表面に密集するように出現しています。
続く写真③は7月3日、④は6日の撮影です。①②と比較してみると、3個とも丸みが増しています。とくに「2号」はだいぶ横に広がり、ほとんど球形になりました。太っちょになったぶん、イボのない部分の面積が広がったようにも感じられます。
この時期、「ハドリアヌス」は花ラッシュで、雌花もたくさん咲いたそうです。写真⑤をみると、うずらたまごのような子房の先に、金魚の尾のような白い花びらをつけた雌花がいっぱいついていますね。しかし、この花たちはどれも実になることはできなかったようで、4個目の実は生まれませんでした。
写真⑥は、花ラッシュが落ち着いた7月22日の「ハドリアヌス」全体です。よーく目をこらしてください。プランターの向かって右に二つ見えるのが「1号」と「3号」。そして、ちょっと見えにくいのですが、プランターの左上の、枯葉の横に「2号」がぶらさがっています。
「2号」にズームインしたのが、写真⑦です。写真④と比べると、すっかり色が白っぽくなってきてますよね。そして、イボ自体がもりもりと育ってきています。イボというより、なんとなくポップコーンみたいにも見える?
写真⑧は「3号」。大きさは高さ15.5センチ、直径14.5センチのほぼ球形です。表皮の色は「2号」よりさらに白っぽい。「3号」は重みもあるようで、蔓ごとだんだんと垂れ下がってきたそうです。
先日は、塚村さんと一緒に面倒を見てくださっているお母様が、ご近所の人から「メロンかなと思って見てたらイボがある。なんや、あれは?」ときかれたそうです。こんな変わった実がなっていたら気になりますよね。「ひょうたんです」と答えても、信じてもらえないかも。
3個の実はすべて6月20日前後に受粉したそうなので、あとまだ1カ月ほどはこのまま蔓にぶら下げておく必要があります。写真⑨は梅雨明けの空。「日除けになって助かっています」といってくださる塚村さん、本当にありがとうございます。
(1208日目∞ 7月31日)