令和6年、堤根神社のひょうたんは鈴なり
by 丸黄うりほ
先週末、大阪府門真市の堤根神社にお参りしてきました。
堤根神社は、大阪府の指定遺跡「伝 茨田堤(まんだのつつみ)」の鎮守として創建された門真市で最も古い神社です。『日本書紀』に記述のある「浮かびのひょうたん」伝説が伝わっており、神社のシンボルもひょうたん。
お守りやノボリにひょうたんのイラストがあしらわれているだけでなく、昨年の夏は境内で宮司さんが育てておられる千成ひょうたんを見せていただくこともできました。「ひょうたん日記」では去年3回ここを訪れて、神事「茨田堤祭」のレポートもしています。未読の方はぜひお読みくださいね。(966日目〜968日目、 990日目、1038・1039日目)
さて、堤根神社では、果たして今年もひょうたんを栽培されているでしょうか?
鳥居をくぐり参道に入ると、まずは目に茅の輪が飛び込んできました。ちょうど夏越の大祓の時期に当たっていたのです。作法に従って輪をくぐらせていただき、無病息災を祈願しました。
境内には、大きなひょうたん型の看板が2枚立てられていました。「令和六年」という文字に龍のイラスト。去年はうさぎのイラストだったことを思い出し、自分のお参りが今年初めてだったことに改めて思い至りました。
そして。手水舎の隣には、今年もひょうたんの棚が作られていました!
棚の下にはプランターが4つ並び、品種はどれも千成ひょうたんのようです。よい形の実がすでにたくさんついて、葉も蔓も巻きひげもいきいきしています。去年見せていただいたときよりも、今年のほうがずっと勢いがあるように感じました。
続いて本殿に向かい、拝礼させていただきました。本殿に掲げられた絵馬には、金と銀のひょうたんを持つ龍の図が。
今年は自宅マンションの大規模修繕工事のため、6年ぶりにベランダにひょうたんのない夏となってしまった私ですが、「花形文化通信」編集長・塚村さんに預けた縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」は、元気にしてくれているようです。塚村さんと「ハドリアヌス」の生命力に感謝し、来年はまたひょうたん栽培ができますようにとお祈りしました。
境内末社の九頭八幡社の横にも、千成ひょうたんのプランターが4つ並んでいました。こちらも去年よりたくさんの実をつけています。虫食いなどもなく葉もきれい。
本殿の西にもプランターが4つ。こちらも千成です。この千成ひょうたんたちが、やがて授与品の「浮かびひょうたん」になるのだと思うと、光を浴びて育つ姿すら神々しく感じます。
去年は本殿の北側、三宝宅神社の横にもプランターがあり、こちらには百成が植えられていたのですが、今年は見当たりません。
ぐるっと東側に回ると、「伝 茨田堤」の石碑のすぐ横にプランターがふたつ並んで、20センチほどの形のいい百成がすでに数個ぶら下がっていました。北よりも東のほうが日当たりが良く、ひょうたんも喜んでいるように見えます。
境内を一周した後、私は社務所へと向かいました。あいにくお留守にされていて、今年のひょうたん栽培について宮司さんにお話をうかがうことはできませんでした。
でも、たくさんの元気で可愛いひょうたんたちに会えた。思い切ってお参りにきて本当に良かった。私の心も、その日の青空のように気持ちよく晴れていくのを感じました。
(1201日目∞ 7月11日)
※次回1202日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、7月17日(水)にアップします。7月15日(月・祝)の奥田亮「でれろん暮らし」はお休みです。