坂本真理さんのシェケレとそのほかのひょうたん楽器
by 丸黄うりほ
昨日の「ひょうたん日記」では、ゴールデンウィークの「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024」で、ひょうたん楽器を集めたコンサート&ワークショップ「打楽器ワークショップ 〜民族楽器のオリジン“ひょうたん”〜」が開催されたことをご紹介しました。
このイベントのことを私に教えてくださったのは、東京都国分寺市で「むらさきmusicラボ」を営む坂本真理さん。じつは、このイベントに登場したひょうたん楽器のいくつかを用意して、イベントに貸し出しされたのも、坂本さんだったそうです。
写真①で、坂本さんが持っておられるバラフォンも坂本さんのマイ楽器。ヤヒロトモヒロさんが演奏された写真②のビリンバウも。「むらさきmusicラボ」には、このビリンバウ以外にもたくさんのビリンバウがあるときいています。
昨日紹介した写真のなかには演奏シーンがなかったのですが、写真③のカリンバも今回の「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024」に貸し出されていたもの。裏返すと(写真④)、この楽器が丸くて大きなひょうたんでできていることがよくわかりますね。
さらに、坂本さんの note「ひょうたん楽器とわたし」、同じく「ひょうたん楽器とおでかけ」を読んでたら、不思議なひょうたん楽器を発見!写真⑤は坂本さんがアイデアを出し、なんとパスカルズの故・三木黄太さんが素材を切るなど手伝ってくださったものなのだとか。顔に見えるので「ガオ」と呼ばれているそうです。これ、どうやって鳴らすんだろう?どんな音がするんだろう?すごく気になります。
さてさて。「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024」に貸し出されたひょうたん楽器のなかで、「ペトルーシュカ」と名付けられたシェケレは坂本さんが編まれた手作り楽器でもありました。そうです、この「ひょうたん日記」をずっと読んでくださっている方はもうよくご存知ですよね。坂本さんは、シェケレ作りの名人でもあるのです(これまでの坂本真理さん関連記事)。
写真⑥をご覧ください。こちらは昨年、大阪・北浜の「フレイムハウス」さんで開催した「ひょうたんフェスティバル」に参加された時に、わざわざ東京から持ってきてくださった、手作りシェケレです。素材のひょうたんは、2019年に我が家のベランダで育った百成「ウェスパシアヌス」と2020年の「ティトゥス」の実。小さいのはだいぶ前に育てた千成でした。この時のことについては、「ひょうたん日記」972日目に詳しく書いているのですが、じつはこの2個の百成には、それぞれそっくりな双子の実がありました。
その実は、本来であれば私が坂本さんに作り方を教わって、自分で編んでシェケレにしてやるはずでした。ところが、難しくて、ちょっとだけ挑戦してみたところで挫折。というわけで、この⑥のシェケレを私が譲り受け、かわりにうちに置いていた双子の素ひょうたんを、ほかの素ひょうたんいくつかと一緒に、箱に詰めてお返ししたのです。
坂本さんは、今回のイベントのために「ペトルーシュカ」以外にも自作のシェケレをいくつか作って用意されていたそうです。なんと、話を聞けば、そのなかに先の双子のひょうたんたちもいたらしい……。
写真⑦をご覧ください!この美しいビーズをまとった2つのひょうたんが、その双子のひょうたんの晴れ姿なのです!
左のひょうたんは「ウェスパシアヌス」の実です。白い三つ編みの紐がついているのがわかるでしょうか? この楽器は、ひょうたんの口部を下にして持ち、紐を引っ張って音を出す、アフリカタイプ。シェケレのことをスペイン語ではチェケレと呼ぶそうですが、坂本さん自身はこのタイプのものを区別してチェケレと呼ぶことが多いそう。
右は「ティトゥス」の実。ワンピースのように長い、キラキラした優雅な銀色のビーズをまとっています。こちらはブラジルタイプのシェケレで、ゆらゆらと揺らしながら演奏するのだそうです。
こんなきれいな衣装を着せていただいて、ウェスパシアヌスもティトゥスも幸せ者だなあ。……と思っていたら、なんとびっくり。この2個が、先日、宅急便で我が家に到着しました。
ええっ、これはどういうこと?
私としては、ひょうたんを交換したつもりだったのですが、なんと4個とも我が家にきてしまった?「きーさん(筆者)に持ってていだきたいんです」と坂本さんは言ってくださるのですが……。どうしよう?今度は編み方じゃなくて、演奏方法を教えていただかなくてはなりません……!
(1180日目∞ 5月23日)
※次回1181日目は奥田亮「でれろん暮らし」5月27日(月)にアップ。
1182日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、5月29日(水)にアップします。