縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」様のおなり!
by 丸黄うりほ
今年は、全日本愛瓢会による「ひょうたんのタネ有償配布」で、珍品種の縮緬いぼ瓢、かど瓢と、普通種の百成のタネを分けてもらいました。その他に予備で去年の残りの千成のタネもまきました。
このうち発芽して苗になったのは、縮緬いぼ瓢4苗、かど瓢7苗、千成11苗でした。そのなかから我が家のベランダで育てることができるのは1苗だけです。縮緬いぼ瓢か、かど瓢か。どちらを選ぶか。かなり悩んだ末、残すことにしたのは縮緬いぼ瓢でした。
我が家では毎年、定植時に「ひょうたん苗に名前をつけてやる」ことにしています。飼い犬や猫に名前をつける人は多いと思いますが、植物に名前をつける人はまだ少ないかもしれません。しかし、名前をつけて育ててやったほうが健康的に、よく育つのです。これはまあちょっと言いすぎな「当社比」でありますが、名前をつけてやったほうが呼びやすいし、愛着がわくというのは紛れもない事実なのです。
というわけで、今年の我が家の主人公ひょうたんとなった、縮緬いぼ瓢の苗には「ハドリアヌス」という名がつきました!
「ハドリアヌス」といえば、14代ローマ皇帝であります。映画『テルマエ・ロマエ』で、市村正親さんが演じていた、あのお風呂好きの皇帝です。ベランダ全土を圧倒的なパワーで占拠し、支配するひょうたんは、まさにローマ皇帝のよう。そんな状態に照らし合わせて、我が家のひょうたんには毎年ローマ皇帝の名前がつくことになっています。
「ハドリアヌス」を定植する前に、まず行ったのはベランダのラティスにネットを張り巡らすことでした。80㎝×180㎝のネット4枚を麻紐でくくりつける作業はなかなかしんどい。
定植のために用意したのは、昨年と同じ800型(800cm×450cm×400cm)のプランターです。プランターの下には木の板を2枚敷き、少し高床にして、日中熱くなりすぎるコンクリートの地面に直接触れないようにしました。(写真①)
それから、「きれいな鉢底石」という人工の軽石を、プランターのスリットまで、約15リットルほど敷き詰めました。(写真②)
土は今年も信頼の「タキイの培養土」です。病気予防に、「カニ殻」と「すぐに植えられる石灰」を混ぜ込みました。(写真③)
半分ほど土を入れたところで「有機野菜の肥料」、さらに1/4ほど土を入れてから「油かす」をプランターの端に置きました。(写真④)
さらに土を入れて、表面全体を平らに均します。ここでいよいよ、「ハドリアヌス」様のおなりです!
じゃーん!写真⑤をご覧ください。こちらが、縮緬いぼ瓢「ハドリアヌス」様でございます。本葉5枚に育っています。葉の形は、標準的なひょうたんである千成や百成に比べると心持ち丸っこい。定植予定地に穴を掘って、ビニールポットごと置いてみました。
ポットをそっと外すと、全体によく根がまわっていました。良い感じです。⑤で決めた向きを保ったまま、写真⑥のように植え付けました。
株元に1本、それから左右に2本ずつ、合計5本の支柱を立てました。ふかふかの土に支柱を立てると沈み込んでいきますから、根本にぎゅっぎゅっと土を詰めて、ぐらぐらしないように固定します。(写真⑦)
最後に、水をたっぷりと与えました。(写真⑧)
さあ、「ハドリアヌス」よ。思うがまま、大きくなるがよい。このベランダはすべて、其方のものじゃ!
(1177日目∞ 5月16日)
※次回1178日目は奥田亮「でれろん暮らし」5月20日(月)にアップ。
1179日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、5月22日(水)にアップします。