こういうものは忘れた頃に出てくるもんですな
by 奥田亮
あれれ? そういえばどこにいったんだろう??
一向発芽しないタネに業を煮やし、苗ポットからほじくり出して濡れティッシュに包んで温め、ようやく1つだけ発芽した百成のタネを、再び苗ポットに入れ戻したということを、3週間前の「その190」でお伝えしました。で、残りのタネはそのまま黒い布に包んでさらに温めていたんですが、そのことをすっかり忘れていたんです。う〜ん、どこにしまったんだろう? どこにも見当たらないな。きっとどこかでカビカビになってるか、カラカラになってるかしてるんかな、と思いながらまたそのことも忘れて2週間。
こういうものは忘れた頃に出てくるもんですな。出てきましたよ、洗濯したズボンのポケットから。恐る恐る開けてみると、なにやら根っこのヒゲとモヤシのような芽がティッシュに絡まっています。百成が1つ発芽していたのでした。カビカビでもカラカラでもなく、よくぞ生き残っていてくれました。ごめんなさいね。茎が行き先を探して白く長く伸び、双葉も小さくて白く、ホントにモヤシみたいです。ダメ元でこのひょうたんモヤシを苗ポットで育ててみることにしました。
ズボンのポケットから発見され、苗ポットに入れたのが5月3日。1週間後の5月10日現在、なんとモヤシがちゃんと双葉になって、小さな本葉も出始めているではありませんか! いやあ、植物の生命力はすごいものです。この先どうなるかわかりませんが、この苗は大切に育ててみようと思います。
幸いその間に他のタネもいくつか発芽し、現在、大寿が3つ、百成が4つ(モヤシを含む)発芽しています。たぶん発芽はこれで打ち止めでしょう。今年うちで定植するのはせいぜい3苗。残りは誰かに育ててもらうことにします。
それにしても年々気象がヘンテコさを増して来てるようで、5月にすでに日中30℃になる日もあるかと思うと夜は冷え込んで、先日は明け方2℃だった日も。ストーブはもう片付けなきゃと思いつつそのままにしていたのが役に立ちました。でも、さすがにもう片付けますよ、でれろん。
(1175日目∞ 5月13日)
- 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓