「ヒョータニスト・パーティ」初ライブ@田並劇場(前編)
by 丸黄うりほ
フェイ・ターンさんのひょうたんランプ展覧会のクロージングイベントに合わせて、新たにひょうたん楽器ユニット「ヒョータニスト・パーティ」を結成。ここしばらく、私たちメンバー4人は楽器作り、曲作りなどに励んできました。
そして、いよいよイベントの前日にあたる4月19日。フェイさん、杉浦こずえさん、コンさん、私のメンバー4人は、フェイさん運転の車に乗り込み、会場のある和歌山県串本町へと出発しました。
出発地の東大阪市瓢箪山から串本までは、車で約3時間ほど。一行は、途中で串本の名物・イノブタ丼を食べて休憩し、午後1時ごろに会場「田並劇場」に到着しました。
写真①をご覧ください。こちらが「田並劇場」の外観です。瓦屋根の古い映画館を、オーナーの林憲昭さん・澄蓮さんご夫妻が中心になり、約4年間かけてリノベーションされたのだとか。現在は映画上映会のほか、アート作品の展示やコンサート会場、劇場としても使われ、串本町の新たな文化拠点となっているそうです。
満開のジャスミンの素晴らしい香りに誘われて、中へ入っていくと……。
木の床、木造りの内部は、まるで古い小学校の講堂のよう。大きなスクリーンに、色とりどりの座布団が敷かれたたくさんの椅子と机。壁には名画のポスターや、アーティストでもある林さんの絵画作品。そして、3月27日から始まっていた「ひょうたんへうたん展」に出品中のフェイ・ターンさん制作のひょうたんランプたちが、串本の浜に流れ着いたいろいろなモノ、オブジェたちと一緒に、にぎやかに展示されていました。(写真②③④)
フェイさんの作品については、「ひょうたん日記」で以前も何度か紹介しているのですが、今回の「ひょうたんへうたん展」で私が初めて出会ったのは、もう一人のひょうたんアーティスト・あわ屋ともきちさんの作品でした。
写真⑤は、「Akarinko」と名付けられた作品です。千成ひょうたんをたくさん使って作られた、未来都市のようにも見えるひょうたんランプ群。ともきちさんによる設定では、「あわいの森」に見られる生物であるという説、「あわいの森」の住人の住居であるという説などがあり、生き物なのか人工物なのか不明であるということになっているそうです。
また、ともきちさんは「Otodama」と名付けたひょうたんスピーカーもたくさん制作されていました。「Otodama」はどれも小さな目をふたつ持っていて、なんとなくナマズのような魚の顔のようにも見えます。(写真⑥)
あわ屋ともきちさんは、和歌山県田辺市にお住まいで、自称「熊野けいおん部」の部長でもあるというアーティストです(写真⑦)。この「田並劇場」でよく活動されていて、明日のイベントでは「テクノクマールカーン」というセッションバンドで、私たち「ヒョータニスト・パーティ」と対バンしてくださることにもなっています。
ひょうたんで作品を作り始めたのは、たくさんのひょうたんを人からもらったことがきっかけだったそう。そのフォルムの面白さや、音がまろやかに響くという性質に魅せられて、どんどん制作するようになったのだとか。素晴らしいですね! (工房はこちらスタジオあわ屋)
私たち4人は、じっくり時間をかけて明日のライブのためのセッティングとリハーサルをしました。その後は名勝・橋杭岩(写真⑧)を見学し、おなかいっぱいお寿司を食べてから、美人の湯とも呼ばれる硫黄泉のすさみ温泉へ。そして、夜はやはり林さんご夫妻が自らリノベーションされたという古民家で、ゆっくりと休ませていただきました。
まるっきり旅行気分……。いやいや、ライブの本番はこれからですよ!
……というわけで、明日に続きます。
(1171日目∞ 4月24日)