かど瓢、縮緬いぼ瓢、百成、タネの形がぜんぜん違う

by 丸黄うりほ

①2024年、栽培候補のかど瓢、縮緬いぼ瓢、百成

②かど瓢のタネ。二等辺三角形です

③縮緬いぼ瓢のタネ。白い模様の入り方が変わっています

④百成のタネ。しゅっとしてスマート

⑤3品種のタネを水に浸して半日おきました

⑥昨年の千成のタネもついでに発芽させてみることに

⑦育苗ヒーターと、光を遮る黒い箱を用意

⑧発芽に適した温度は25℃から30℃

季節は一気に春。ソメイヨシノも一斉に咲き始めました。ひょうたんのタネまきは桜前線とともに、と一般にいわれています。ですが、私はここ数年ずっとソメイヨシノではなくヤエザクラの開花を待ち、少し遅めの4月中旬にひょうたん栽培をスタートさせていました。温室などの設備がない我が家ではそのほうが失敗が少ないと経験をつんだからです。

しかし、今年は3月下旬から気温があがって、もう初夏のような感じすらします。これなら始められるかもしれない。というか、始めたほうがええんとちゃうのん?とぐいぐい背中を押すひょうたんの神様の声が、耳の奥から聞こえてきます……。

というわけで、なんと例年より10日ほども早く始めてしまいました。

まずはタネ袋の封をどきどきしながら切りました。今年用意したのは、全日本愛瓢会から有償で分けていただいた3品種です。かど瓢、縮緬いぼ瓢、百成のタネ。(写真①)

写真を見ていただくとわかると思いますが、3品種のタネの様子は、どれもひょうたんなのにぜんぜん違っています。

写真②はかど瓢です。かど瓢は、ふくらみがひとつで、その部分に山脈状の突起が出るひょうたん。タネは、二等辺三角形でスジのような模様が入っています。今までに育てたことのあるひょうたんの中で、これによく似ていたのは鶴首のタネでした。どちらもふくらみがひとつだけで、長いハンドル部分がついたひょうたんです。よく似た形の実がなるものは、タネの形も似ているようですね。

写真③は縮緬いぼ瓢。縮緬いぼ瓢は、実の表面にイボイボが出る大変珍しいひょうたんです。タネは茶色っぽく丸い形。白い模様の入り方が変わっています。こんな感じのひょうたんのタネは、今までに見たことがありません。

写真④は、おなじみの百成です。百成は標準的なひょうたん型で、20センチぐらいになります。「大ひょうたん」という名で市販されているものもだいたい百成だそうですが、育てやすいように品種改良されているようです。それに対して、このタネはいわば血統書付きの純血種の百成です。しゅっとした細長い形で、少し白っぽい。

私はこの3種類のタネを小さなタッパーに入れ、水を注いで浸しました。水色が百成、黄色がかど瓢、ピンク色が縮緬いぼ瓢です。半日から1日ほどこうして水につけておいてから、濡れたキッチンペーパーに包みなおして温めることにしました。(写真⑤)

全日本愛瓢会のタネは、先ほども書きましたが、いわば純血種。血統書付きの犬や猫と同じく、雑種に比べて繁殖力が弱いのか、今まで私はあまりうまく芽出しができていません。数年前、UFOとマクラはいくつか発芽したのですが、ガーナ角はひとつも発芽しませんでした。ちなみに、UFO、マクラ、ガーナ角はすべて珍ひょうたんの品種名です。

今年はどうだろう、うまくいくかな……と少々不安に思っていたら、育苗グッズのなかから去年まいた千成ひょうたんのタネの残りが出てきました。パッケージの封を開けて一年たっていますから、これもあまり状態がいいタネとはいえません。でも、捨てるのもしのびない……というわけで、ついでに芽出しをしてみることにしました。(写真⑥)

現在の室温は22℃あります。発芽の適温は25〜30℃で、お風呂のフタの上に置くとか、日向に置くとか、ヒーターの上に置くなどする必要があるのですが、高温になりすぎてもいけません。微妙な温度調節が難しいところ。そこで、私はヒーターを点け、その上に発泡スチロールを置いてみました。これなら、だいたい25℃から30℃になるようです(写真⑦⑧)。

今回まいたのは、かど瓢が8粒、縮緬いぼ瓢が7粒、百成が6粒、千成が24粒。合計45粒のうち、いったいいくつ発芽するかな?ゼロってことはないと思いますが……。

さあ、ひょうたんたちの駆けっこがスタートしました!

頑張れ!頑張れー!どうぞみなさんも応援してやってくださいね!

(1163日目∞ 4月4日)

※次回1164日目は奥田亮「でれろん暮らし」4月8日(月)にアップ。

1165日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、4月10日(水)にアップします。