あの「ひょうたん弁当」を求めて先斗町「いづもや」へ

by 丸黄うりほ

①先斗町「いづもや」の入口から四条大橋をのぞむ

②ショーケースには「ひょうたん弁当」が

③ひょうたんの暖簾もかかっていました

④憧れの「ひょうたん弁当」!

⑤一段目には煮物

⑥二段目にはお造り

⑦三段目は色とりどり

⑧懐かしCMの思い出とともにいただきました

京都の「先斗町  いづもや」に行ってきました。昭和生まれの関西人のみなさんなら、テレビのCMを覚えている方は多いでしょう。街角インタビューで「あのビルはご存じですか?」と問われた二人のおじさんが「安うておいしゅうて、いい店ですよ。なかでもひょうたん弁当は大変人気がありますね」と応える。「詳しいですね?」「ええ、わたしら二人ともあそこのもんですよ。どーもどーも(笑)」

子どもだった私の脳に「ひょうたん弁当」という言葉をインストールしたのは、間違いなくあのCMでした。そして、あのとぼけ具合が京都っぽいねんなーという思いも、四条大橋の映像とともにインストールされたのでした。

というわけで、子どもの時に地中に埋めたタイムカプセルをあけてみるような気持ちで、私は先日ついに「先斗町  いづもや」に行ってきました。

同行してくださった「ひょうたんグルメ班」のコンさんは新潟県出身なので、「先斗町  いづもや」CMはまったく知らないとのこと。あのCMを知っているかどうかで、思い入れには違いが出てくるかもしれません。動画サイトなどで検索すれば、見ることができます。

写真①は「先斗町  いづもや」入口から鴨川と四条大橋を見たところ。奥に見えるのは南座、つまりCMとは反対方向からのアングルということになります。

1階のショーケースには……、目当ての「ひょうたん弁当」がちゃーんとありました!現在もメニューは健在のようです!(写真②)

ケースの横にはひょうたんの暖簾も発見。じつにいい感じです。(写真③)

さて、「ひょうたんグルメ班」は3階へ通されました。鴨川のみえる席があいていたので、そこへ座りました。「いづもや」はランチからディナータイムまで休みなく営業されていて、昼下がりのこの時間帯は比較的空いていて狙い目かもしれません。

一応メニューを見ましたが、私たちの注文は「ひょうたん弁当」一択です。天ぷら付の「ひょうたん弁当」もあるようでしたが、二人とも付いてないほうをオーダーしました。

……しばしの後、運ばれきたのが写真④であります!ひょうたん形をした三段のお重と、ごはん、汁物、漬物。

ひょうたんのヘタ部分を持ち上げて、お重の蓋をあけると、一段目には煮魚を中心に、生麩やこんにゃくなどの煮物(写真⑤)。二段目にはお造り(写真⑥)、そして三段目には、海老や魚の焼き物、出汁巻、かまぼこ、鯖寿司、麩饅頭、きんかん、白身魚の南蛮漬、合鴨ロース、青菜のおひたしなどが、色あざやかに盛り付けられていました。(写真⑦⑧)

ああ、これがあの昭和のCMで見た、憧れの「ひょうたん弁当」か……。何十年も変わらず出されているということは、今も看板メニューなのでしょう。私は箸をつける前に写真を撮りまくり、しばし感慨にふけってしまいました。

最初にいただいたのは出汁巻でした。出汁の旨味がじわーっときます。ああ、これぞ関西の卵焼きの味やわ……。たまらん。懐かしコマーシャルに特に思い入れのないコンさんにとっても、とてもおいしいお弁当だったよう。のどかな鴨川を眺めつつ、観光客気分でまったりさせていただきました。

帰りに、お勘定場におられた、やや年配のスタッフさんに、私はかのCMのことを尋ねてみました。

「昔、テレビでCMされてましたよね。あのCMに登場されていた男性は、社長さんですか?」

「ああ……、あれは専務だと思います」

そのスタッフさんは、特に言いよどむこともなく、すっと口に出されました。もしかしたら、私以外にもあのCMが懐かしくて、この店に「ひょうたん弁当」を食べに来るお客さんが結構いらっしゃるのかもしれません。

(1141日目∞ 2月8日)

※次回1142日目の「ひょうたん日記」は2月14日(水)にアップします。2月12日(月・祝)の奥田亮「でれろん暮らし」はお休みです。