桃山台の立ち呑み「ひょうたん」はおでんが名物
by 丸黄うりほ
昨日の続きです。江坂の「ひょうたん寿し」でおなかいっぱいになった「ひょうたんグルメ班」。しかし、もう一件、ぜひとも行っておきたいお店がありました。我々は江坂から北大阪急行電鉄に乗り、桃山台駅へ。
「北大阪急行は3月23日に延伸線が開業するんですよ」と、コンさん。「へえ、箕面まで伸びるんですか、便利になりますね」と、北摂事情に疎い丸黄うりほ。桃山台駅で降りたのも、かなり久しぶりでした。
目当てのお店である立ち呑み「ひょうたん」は、駅改札からすぐだという情報を事前に複数の筋から得ていました。しかし、いざホームに降りてみると、北出口なのか南出口なのかがわからない。たまたま降りたのが南出口の近くだったので、とりあえず南へ出てみることにしました(写真①)。
すると、「senri MOMOSTA」という駅近モールの案内板が。近寄ってみると、「⑭立ち呑み居酒屋ひょうたん」とあります!(写真②)そのまま進むと、さらに案内表示が(写真③)。そして、角には「立呑み ひょうたん」と書かれた目印の赤提灯が立っていました(写真④)。
あっさりとお店発見。しかも、午後2時を過ぎたばかりだというのに、すでに先客がいらっしゃいます(写真⑤)。平日の昼間に立ち飲みに行くなどという背徳的なことをするのは「ひょうたんグルメ班」ぐらいだろうと思っていたら、全然違っていたようです。
カウンターを覗き込むと、おでんがとてもおいしそう!というわけで、私は生中と、コンニャク、平天、たまごのおでんをオーダーしました(写真⑥⑦)。
おでんをつつき、ビールを飲みながら、先客同士の会話に聞き耳を立てていたら、「ここのおでんはいけるよー!」「買って帰って、自分が作ったとみんなに自慢したら、料理上手扱いされて云々」というような話題が耳に入ってきました。ちらっとカウンターの中におられるママを見ると、涼しい顔。日曜定休、営業時間は午後2時から11時までと書かれた紙が壁に貼られていましたが、ずっとこの人がワンオペで仕事されているのでしょうか?
ふとママの頭上に目をやると、ひょうたん型をした焼酎の瓶が飛び込んできました(写真⑧)。これはもう話さずにはいられない……と感じた私は、ママに「この瓶、ひょうたん型ですね!」と話しかけてしまいました。
「それは、お客さんがくださったのよ」とママ。そのとき聞かせてくださったお話によると、ママはやはり完全ワンオペで、仕込みからラストまで毎日ここに立っておられるのだとか。この店を任されて19年。立ち呑み「ひょうたん」というお店自体は43年目で、先代の店長さんがこの名をつけられたのだそう。店名の由来については現ママもご存知ないようでした。
ホワイトボードのメニューを見ると、おでんのほかに、アタリメ、アジ一夜干し、湯豆腐、ぎんなんなど、「ちょいと一杯」にぴったりのアテがいろいろ。徳利の代名詞としての「ひょうたん」。店名はそこからに違いないよなぁ……と納得して、「ひょうたんグルメ班」も、ちょいといい気分で暖簾を出ました。
(1138日目∞ 2月1日)
- 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
※次回1139日目は奥田亮「でれろん暮らし」2月5日(月)にアップ。
1140日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、2月7日(水)にアップします。