オクテのひょうたん「ユミ」が本当に頑張りました!

by 丸黄うりほ

①11月初旬。西山朝子さん宅の千成「ユミ」

②9月以降にできた実。かわいいですね

③小指サイズの極小ひょうたんも見えます

④収穫直前の「ユミ」の実たち

⑤合計12個できました!

人間にもマセた人とオクテな人がいるように、ひょうたんにもマセとオクテがいます。標準的な成長では、6月から7月、8月にかけて花が咲くのがひょうたんなんですが、マセた子は5月から花が咲いて親蔓に実をつけることもあります。かと思えば、秋風が吹き始める9月になってやっと目覚めるオクテの子も。

大阪市の西山朝子さんのベランダで育ててもらった千成の「ユミ」は、まさしくそんなオクテひょうたんでした。

前回「ひょうたん日記」で西山さん宅のひょうたんについて紹介したのは、9月21日のことになります。5月に引き取ってもらった3苗の千成のうち、1苗は病気にかかって枯れてしまったけれど、9月に入ってから「ウシク」と「ユミ」と名付けた2苗の元気が回復し、花が咲いてきたというお知らせでした。その後も「ウシク」には花がついたようですが、結実までは至らず。3苗のうちでいちばん弱そうに見えていた「ユミ」が、最後まで残って頑張ってくれたそうです。

写真①②③は、11月初旬に西山さんから届いた「ユミ」の写真です。

つぼみがたくさんついています。そして、かわいい実がぽこぽこと生まれているのが見えますよね。

そのときにいただいたメールによると、「1個でも実がなれば」と思っていたそうです。しかし、この時点ですでに7個結実!

「もともと細っこい茎、葉っぱだったので、ちびっこたち(大きいので人差指の身長、ほかは小指サイズ)。ひょうたんの7人のこびとです。まだ雄花雌花ともにちらちらと咲くので、授粉していますが、この先、形になるのは難しいかもしれません。葉っぱが今年はじめてのうどんこ病になっていますし……」と、西山さん。結実した7個が熟し、皮が厚くなるまで注力したいとも書いてくださっていました。

そして、先日いただいた写真④⑤が、その後の「ユミ」です。緑色の葉は一緒に育てているフウセンカズラで、ひょうたんの葉は枯れてしまいました。しかし、「ユミ」は結局、12個の実をつけたそうです!

9月以降についたオクテの実は、一般にあまり大きくならないことが多く、「ユミ」の実も最大で人差指サイズ、ほとんどが小指サイズや、もっと小さいものだったそう。しかし、ひょうたんツウの間では小さい実を喜ぶ向きもあるので(実際、ひょうたん屋さんで買うと、豆サイズのひょうたんは高価です)、この「ユミ」の頑張りは褒めてやるしかないと思います。

オクテひょうたんだったけど、見た目は弱そうだったけど、誰にも負けない底力がありましたね。おめでとう、「ユミ」!そして、お疲れ様でした、西山さん!

受粉から日がたち、収穫も終えて、いま「ユミ」の実たちは全員水の中にいるそうです。水浸けが終わって一皮むけたら、また違う顔を見せてくれることでしょう。その後の変身も楽しみにしています!

(1117日目∞ 12月12日)