ひょうたんマークの鰹ふりかけ「金富利」

by 丸黄うりほ

①完璧なパッケージ〈鰹ふりかけ 金富利(きんふり)〉

②パッケージを裏返すとこんな感じ

③はがすのが惜しいほど可愛い!金色のひょうたんシール

④カツオの旨味と香りが凝縮された感じ

⑤贈答用のメッセージシールにもひょうたんが(林久右衛門商店のサイトより)

少し前のことになるのですが、阪急百貨店うめだ本店の地下2階で買い物をしていたら、ひょうたんマークのついた鰹ふりかけを発見!

「おお、これは!」とさっそく買い求めたのですが、賞味期限がわりあい長かったのですぐには食べず、パッケージを見回してにやにやしていました。

商品名は〈鰹ふりかけ 金富利(きんふり)〉。パッケージの真ん中に、赤い紐のついた黄色いひょうたんと波の模様が印刷されています。袋を裏返すと、可愛い金色のひょうたんシールも貼られています。ひょうたん好きの心をぐっとつかむ、なんとアガるパッケージなのでしょう!(写真①②③)

あまりにも完璧なパッケージなので、買っただけで満足してしまった私は、しばらくこのふりかけを食べるのを失念していました。いやいや、賞味期限がいくらまだまだ先とはいえ、食品なんだからフレッシュなうちに食べた方がうまいのに決まっていますよね。

というわけで、先日ようやく封を切る気になりました。ひょうたん型のシールをはがすのがなんだかもったいないなぁ……と思いつつ。

いただいてみると、まず感じたのが「めっちゃカツオ!」ということ。ソフトタイプのふりかけで、カツオの旨味と香りがぎゅ〜っと凝縮されている感じ。味付けは少し甘め。ごはんと一緒にいただくとより甘みが強く感じられます。少しゴマが入っているのも良いアクセント。(写真④)

このふりかけを作っているのは、福岡市の林久右衛門商店です。ウェブサイトを見ると、明治18年に創業された鰹節と食品加工の会社だということがわかりました。鰹節はもちろん、だしパック、貝や鯛の形をした最中に入った一椀サイズのお吸い物など、おいしそうな商品がアップされています。そのなかに、〈金富利〉もありました!

ウェブサイトによると、「発売当時は〈かつおでんぶ〉という商品名で親しまれていました」とのこと。なるほど、甘みの強さの理由がわかりました。化学調味料は使わず、本枯鰹節、醤油、みりん、砂糖、ゴマのみを使っているのだそう。オンラインショップを見てみると、山椒と七味の入った〈金富利〉もあるようでした。しかし、そのネーミングの由来や、なぜパッケージがひょうたんなのかについては特に書かれていません。どこかに書かれてないかなとサイト中を見て回ったら、贈答用のパッケージに「メッセージシール」というものがあり、4種類のシールのうちの一つがひょうたんであることがわかりました。

4種類のシールは、ひょうたんの他に鯛、富士山、貝のイラストを添えたものがあり、ひょうたんは「ありがとうございます」、鯛は「おめでとうございます」、富士山は「感謝」、貝は「真心こめて」というメッセージがプリントされています。ひょうたんのイラストは、〈金富利〉のパッケージに描かれているものと同じです。(写真⑤)

そこにも特に説明はなかったのですが、おそらく〈金富利〉という文字列から察するに、富と繁栄の象徴として、また感謝と縁起の良さの象徴としてひょうたんが選ばれたのかなと思いました。

ごはんがどんどんすすむ「金富利」は、贈答品としてもぴったり。私自身は、次は山椒味を試してみたいなと思いました。

(1112日目∞ 12月5日)

林久右衛門商店オンラインショップはこちら