ヒョータニスト写真に見るひょうたん五態

by 丸黄うりほ

①おーさきさんの千成ひょうたん

②すだれに白いひょうたんがいい感じですね

③収穫したひょうたんは、しばし室内で鑑賞

④水浸け。ここが瓢道の山場であります!

⑤穏やかな陽の光のもとで、乾燥させます

⑥杉浦こずえさんの千成「ふー」はオクテ

⑦かわいい実が収穫できました!

きょうはヒョータニストのおーさきさんと、杉浦こずえさんから届いたひょうたん写真を中心にお届けします。

小野市にお住まいのヒョータニスト・おーさきさんのひょうたんは、9月21日(1062日目)から約2カ月ぶりのご紹介。「ひょうたんたちは今どうしてますか?」という質問に答えて、見せてくださった写真5枚がどれも素晴らしい! そして、それらの写真を並べてみると、ひょうたんの実の、五態変化がくっきりと現れています。まるで、ひょうたん栽培の教科書に採用できそうな分かりやすさ。

というわけで、紹介していきましょう。まず写真①をご覧ください。こちらはまだ青いひょうたん。おそらく10月以降に花が咲き、実ったものだと思います。ひょうたんの実は受粉直後は青く、完熟してくると白っぽく表皮の色が変化してきます。青いものはまだ皮が薄いのです。この写真のひょうたんは、もうしばらく栽培を続けられるのだと思います。

続いて写真②をご覧ください。こちらのひょうたんの実は、もうかなり白っぽくなっていますよね。こうなってくると収穫OK。しっかりと完熟して、皮も厚く、かたくなっているはずです。千成ひょうたんの場合は、この状態になるまで受粉から50日から60日かかります。また、実のサイズが大きくなればなるほど完熟までの日数も長くなります。

収穫したひょうたんは、すぐに水に浸けずに、そのフォトジェニックな姿をぜひ写真に収めておきたいもの。薄い緑色をしたひょうたんの美を室内でとことん愛でられるのは、この瞬間だけです。写真③の手前に写っているのが千成で、奥に写っている白班のある濃い緑色がハイブリッドひょうたんの「サザエさん」ですね。ひょうたんの品種のなかには、このひょうたんのように完熟しても濃い緑色を残すものがあります。アメリカひょうたん、台湾ひょうたんなどと言われる外国の品種には濃い緑色に白班のものが多いように思います。

写真④は、いよいよ瓢道の山場です。収穫したひょうたんは、そのままおいておくと全体が腐ってしまうか、カビが生えてしまうのですが、このように水に浸けると中身だけが腐って溶け、外側の皮だけが残ります。ただ、中身を腐らせるときに発生するにおいが凄まじい。しかし、このにおいに耐えることこそが、真のヒョータニストへの道なのです。愛好家を自認するなら越えねばならぬ山場なのです!

最後の写真⑤をご覧ください。水浸けを経て、腐った中身とタネを水とともに振り出したひょうたんは、このようにして乾かします。串に刺したり、吊るして干すなどいろいろな方法があります。すっきり乾いたひょうたんは、外側だけになり、とても軽い。この状態にすれば、このままで何年でも使えます。容器にしたり、楽器にしたり、ランプにしたり……、使い道はアイデア次第!写真③の上の方に写っている茶色のひょうたんも乾燥終了したひょうたんですが、インテリアとしてこんなふうに飾っておくだけでも素敵ですよね。

おーさきさんのこの5枚の写真をみるだけで、ひょうたん栽培と収穫後の加工の流れがざっくりわかっていただけたのではないでしょうか?

さて。つぎは杉浦こずえさん宅のひょうたんをご紹介していきましょう。杉浦さんのひょうたんは、10月19日(1081日目)から約1カ月ぶりの登場です。杉浦さんは、大阪市のマンションベランダで千成ひょうたんの「ぶー」を、安城市のご実家のお庭で「ふー2世」を栽培。「ふー2世」のほうは、合計13個の実が収穫できたそうですが、本体はすでに枯れてしまいました。

写真⑥は、9月下旬になってからもりもり元気を出しはじめた大阪市の「ぶー」のほうです。かわいい実が鈴なりですね!オクテのひょうたんの実は、早くにできた実に比べると完熟も遅れる傾向があります。約2ヶ月たっても真っ白にはなりませんが、緑色が少し薄くなってきたら収穫も可能になります。

写真⑦は、収穫した「ふー」の実。先に収穫した実とあわせて、こちらも全部で13個実ったそうです。2苗そろって13個ずつ。全部で26個の実。おつかれさまでした!

おっと、杉浦さんにはまだ瓢道の山場と、乾燥作業が残っていましたね。全部の工程が終わったら、つぎはそのひょうたんで何を作ろうかと考えてやる、楽しい冬がやってきます。

(1107日目∞ 11月28日)